お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)
クレジットカードとの付き合い方
○カード残高は借金と心得るべし
健全マネーライフの第一歩は、前回お話したとおり、借金を一掃することだ。 消費者ローンはもとより、クレジットカードのキャッシングも×。車は現金で買うべし。今の車をローンで買ってしまったなら、次の買い替えはお金を貯めて必ず現金で買うこと。
気をつけたいのはクレジットカードの使い方、支払方法だ。
多額の現金を持ち歩かないですむ「プラスチック・マネー」は本当に便利。海外旅行で使えば、両替の必要もない。クレジットカードなしの生活は考えられない。でも、これの使い方で人生は二分される。
クレジットカードのクレジットは「信用」つまり「借金」のこと。クレジットカードの未払い残高は、「借金」と認識して使い管理すべきなのだ。
○一括払いは青信号 ボーナス払いは黄信号
借金はできるだけ早く返すのが鉄則だ。クレジットカードの支払いは「 1回払い」と決めよう。 1回払いなら利息はつかない。管理も楽だ。毎月のクレジットカード限度額を自分で決めておくといい。給料手取額の 2割までが目安。手取り25万円ならクレジットカードを使っていいのは月 5万円までとなる。
では「ボーナス払い」はどうだろう。利息は付かないが、できるだけ使いたくない。翌月一括払いなら、毎月の給料から払わなくちゃいけないから、使いすぎないようブレーキを働かせることができるはず(できないなら問題は深刻。クレジットカードを持たない方がいい)。
ところがボーナス払いだと、なぜか太っ腹になってしまい、ブレーキが利きづらい。つい使いすぎて、ボーナスのほとんどがクレジットの支払いに消えてしまうことに・・。覚えあるでしょ。
どうしてもボーナス払いを使いたいなら、これも上限を決めて守るべきだ。貯金やそのほかの楽しみに使うことを考えると、ボーナス手取額の 2割までが目安だろう。ボーナス50万円なら10万円までだ。
でも、本来、ボーナスは「過去の清算」のためでなく「夢の実現」のために使いたい。やはりボーナス払いはしないのがいい。
○分割払い・リボ払いは赤信号だ!
絶対にダメなのが「分割払い」と「リボ払い」。毎月の支払額が小さくなる代わりに、高い利息がつく。預金金利がゼロ・コンマ以下なのに、分割払い・リボ払いの利息は2ケタ%。普通預金金利の1万倍を超える。おそろしい。 いつも分割払いやリボ払いを使っていて、月の平均残高が10万円、金利15%とすると、年間で1万5000円の利息を払うことになる。平均残高20万円、金利20%なら年間4万円。
それだけではない、分割払いやリボ払いを繰り返すと、残高がいくらなのか、返済期間が何年なのかわからなくなってしまう。わからなくなるので、毎月返済できていれば(残高30万円でも返済額は5000円〜6万円程度)「ま、いいか」となって、また次、また次と分割やリボで買い物することになってしまう。
これを繰り返すことになるので、借金は永遠に終わらず、むしろ残高は少しずつ増えていく。カードが2枚以上あると、事態が深刻になるスピードはますます速くなる。ホラーだ。あな、おそろしや。
○カードは1枚が原則
分割払いや、リボ払いを使っている人は、1日も早く返し終えることをすすめる。ATMから入金して繰上げ返済することができるはずだ。返し終えるまでは、毎月の貯金額を減らすのやむをえない。節約もこころがけよう。複数のカードを持っている人は、1枚だけ残して後は解約しよう。上手に管理できている人なら2枚残してOKだ。
というわけで、クレジットカードとの付き合い方をまとめてみた。
1)カードは1枚、これを3年上手に管理できたら2枚までOK。
2)支払いは一括払いが原則。金額の上限は、給料手取額の2割まで。
3)ボーナス払いはなるべくしない。使う場合は、ボーナス手取額の2割まで。4)分割払い、リボ払いは絶対にダメ!
5)分割払い、リボ払いを使っている人は、一日も早く返し終えるべき
ポイントやおまけにつられて、つい3枚4枚とカードが増えてしまう人も多い。だが、2枚目以降のクレジットカードは借金地獄への優待券と心得よう。
(ファイナンシャル・プランナー 中村芳子)
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