20代からの差をつけるマネープラン(3)

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

20代からの差をつけるマネープラン(3)

<投資を始める前に>

 株式投資やそのほかの投資は、20代のうちから始めるべきだ。
 株価や為替レートというのは、世の中の動きに直結している。学生時代に、経済学とか金融論を勉強しても、ぜんぜん実感がわかなかったのが、実際に「投資」を経験することで、リアルタイムのお金の動きや流れを生々しく体験することができる。
 自分で稼いだお金でやるから、その体験は実になっていく。これって、世の中を知って、タクマシク生きていくために、絶対必要な経験と知識だと思う。 ただし、投資に手を出す前に、いくつかの条件がある。

○生活費 1〜 2か月分の「緊急費」を蓄えてから

 このメルマガを読んでいる20代読者なら、すでに投資を始めているか、すぐに始めたくてウズウズしているかのどちらかだろう。
 だけど、ちょっとクギをさしておこう。投資を始めるのは、まず生活費 1〜 2か月分の「緊急費」を貯めてからだ。
 緊急費というのは、予定外の出費のこと。これからかさんでくるだろう友人の結婚式のお祝いや参加費用、住まいをワンルームから 1DKにグレードアップするための引越し費用、地方に住む親が病気になったときにお見舞いに帰る費用、パソコンが壊れた時の買い替え費用などなど。
 緊急費は家族もちなら、生活費の3か月分ほしいところだが、シングルならとりあえず 2か月分で足りる。社会人になってまだ日が浅いなら最低 1か月分を目標にしよう。貯金ゼロから始めて、給料の 1割を貯めれば 8〜 9ヶ月で生活費 1か月分が貯まるはずだ。
 この緊急費を超えた分が、投資に回してよいお金ということになる。
 
○3年以上使わないお金で 

 手取り給料が20万円、生活費が18万円なら緊急費36万円ということになる。貯金が36万円を超えたら、そろそろ投資を考えてもいい。
 ただし、36万円を超えた全額を投資にまわしていいということじゃない。 投資にはリスクがある。リスクとは投資した商品の値段が上がったり下がったりすること。
 そのお金が入用になったときに、投資した商品が大きく値下がりしていたら、それは困ったことになる。
 ハンバーガー屋で大学生が「授業料払うために親が振り込んでくれた金で株買ったらさ〜、値下がりしちゃってさ〜」と話しているのを聞いたことがある。 そんな目にあわないためには、最低でも 3年以上使う予定のないお金で投資をするべきだ。本当は5年以上と言いたいところだが、20代で 5年以上先の予定を考えられる人は少ないから、一応3年にしておく。
  3年以内に使う予定のお金は、絶対に投資に回さず、リスクの少ない金融商品(預貯金やMMFなど)で運用すべきだ。

○借金で投資をしない

 これはすべての投資にいえることだが、絶対に借金した金を投資にまわしてはいけない。借金は、借りている間にどんどん利息がつく。いつまでに返済しなくていけないという期限がある。その利息を上回る利益を、一定の期限までにあげることなんて、できるわけがない。
 もしかしたら、今まで 1度か 2度そんな甘い経験をしたことがあるかもしれないが、それはまぐれ。絶対に続かない。
 一定期間に一定以上の利益をあげなくてはいけないというプレッシャーがあると、投資において、冷静な判断ができなくなるのも真実だ。
「借金で投資」には、先物取引や信用取引も含まれる(現物に相当する現金を口座に持っていれば別だけど)。
 直接投資のためでなくても、車のローンやクレジットカードローン、消費者金融ローンなどを借りていれば、間接的に借金で投資していることに。
 これらのローンがある人は、何よりローンを清算することが先決だ。

(ファイナンシャル・プランナー 中村芳子)

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