20代からの差をつけるマネープラン(5)

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

20代からの差をつけるマネープラン(5)

○資産づくりの基礎「自動積立」

 前回、30歳までに年収分貯めるのがひとつの目安であること、学校卒業後すぐ年収の1割を貯めていけば、達成できることをお話した。出遅れている人は、遅れている分貯める割合を、年収の1.5割とか2割とかにふやさなくてはいけないけれど。
 これまで、いろんな人の家計や貯蓄の内容を見てきたが、30代、40代でひと財産作っている人は、必ず「自動積立」を実行していた。これホント。

○使う前に貯蓄分をとりわけてしまうのがポイント

 お金を貯めたいと思っていても、貯められないのは、もらった給料を使いきってしまうからだ。貯蓄する分が残らない。
「お金が残ったら貯めよう」というのは、お金が貯まらない人の思考パターン。絶対に成功しない。「先に貯めて残った分を使おう」というのが、貯まる人の思考・行動パターンだ。
 
「先に貯める」を可能にしてくれるのが、「自動積立」のすごいところだ。 給料天引きの財形貯蓄などは、給料から先に貯蓄分が引かれた残りが口座に振り込まれる。貯蓄分には手をつけられない。銀行・郵便局・証券会社の自動積立も、給料日の翌日あたりに積立日を決めておけば、残高不足で貯められないなんてことはなくなる。

 この自動積立には、地味なイメージがあると思う。確実に貯められるが、利回りには面白味がない。それより、一攫千金を・・と思ってしまいがちだ。 確かに、財形貯蓄や銀行の自動積立定期、郵便局のオート定額(定額貯金の積立)などは、ゼロコンマ以下の利率だから、殖えることはない。
 しかし、今は株や株式投資信託でも積み立てられる時代だ。低金利の積み立てだけに甘んじている必要はない。

○半分を、株式投資信託の積立で

 ポートフォリオとか、分散投資という考え方からすると、毎月の積立額の全部を高利回りを狙う株式系にするのは、お勧めしない。半分は安全なもので、半分は投資型の商品で、しかも投資型は可能なら複数を組み合わせるのが、いいだろう。積立に使える商品には次のようなものがある

 安全系: 勤務先の財形貯蓄、銀行の自動積立定期、郵便局のオート定額      証券会社のMMF・公社債投信

 投資系: 証券会社・銀行の株式投資信託、銀行の外貨預金
      証券会社の外貨MMF

 株式系など値動きのある金融商品を、毎月一定金額買っていく積立には「ドル・コスト平均法」という投資手法が働く。簡単に言えば、単価が安い時に多く買い、高いときには少し買うことになるため、買い付け単価を安くすることができるということだ。安く買えれば利益が出やすい。

○投資用資金は別途プールしたい

 年収500万円の人が、年収の15%の年75万円を貯めるプランを考えてみよう。
  毎月:2.5万円  財形貯蓄
      1万円  株式投資信託1
      1万円  株式投資信託2
  ボーナス:各10.5万円  プールしておいて投資へ

 毎月2.5万円は安全な財形貯蓄へ、2万円は2種類の投資信託で積み立てる。ボーナスから、毎回10.5万円をMMFなどに入れておき、これぞという投資チャンスを見つけたときに、使えるようにしておくと楽しい。

 ちなみに私も、外貨建てもふくめ複数種類の投資信託で積立をしている。成績は現時点では全部プラスで、投資額(積立元本)に対する利益が2.9〜19.9%。けっこうイケルよ。

(ファイナンシャル・プランナー 中村芳子)

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