20代からの差をつけるマネープラン(10)

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

20代からの差をつけるマネープラン(10)

○マネー管理のための4つの口座・・・2つめは緊急費口座

4つの口座を使い分けることで、お金のラクチン管理を実現することを、おすすめしている。
前回は、生活費口座。給料がここに入ったら、1か月分の生活費だけを残し、余分なお金はすぐに別の口座に移すようにおすすめした。生活費口座のほかにどんな口座が必要だろうか。

 だれもが持つべき2つめの口座は、緊急費口座だ。
 これは、起こってほしくないけど起こるかもしれない事態にそなえるファンド(基金)。たとえば、車を凹ませて自費で修理、トラブルがあって予定外に引越し、遠くに住む親が入院して里帰り、失業後すぐに職が見つからずしばらく無給、などのうれしくない事態だ。

○目安はシングルなら、生活費1か月分

 20代シングルなら、この口座にはつねに生活費1か月分程度をプールしておきたい。30代以降や結婚したら生活費2か月分、子供が産まれたら3か月分へと、少しずつふやしたい。
 この緊急費口座は、しょっちゅう引き出すものではなく、イザというときに備えるものなので、今まとまった貯蓄があれば、その一部をあてればいい。 イザというときのお金は、誰でも準備したい・しているものだが、ばくぜんと貯蓄しておくのではなく、「これは緊急費」と色分けして専用の口座に入れることで、うっかり使ってしまうことはなくなり、逆に必要以上のお金を眠らせることもなくなる。
 足りない人は、給料やボーナスから少しずつ取り分けよう。給料から5〜10%、ボーナスから10〜20%程度をこの口座に振り替えれば、1年以内に必要額に達するはずだ。

○すぐに引き出せるが、預けっぱなしにしても大丈夫な口座に 

 緊急費口座は、必要なときにすぐに引き出せなくてはいけない。一方で、3年、5年と長く預ける可能性もあるので、普通預金プラスアルファの利回りはほしい。これをみたす金融商品としては、つぎのようなものがある(利回りは本日現在の代表的な金融機関のもの)。

 ・証券会社のMMF        0.051%(年換算の利回り)
 ・銀行の定期預金(期日指定定期) 0.040%(3年預けた場合の利回り) ・郵便局の定額貯金        0.060%(   〃       ) 
 利回りはいずれも小数点以下2けたとパッとしないが、将来、金利水準が上がれば、普通預金(現在0.001%)とくらべた時の有利性は大きくなるはずだ。
 MMFは、ご存知のとおりいつでも引き出せる。
 期日指定定期や定額貯金には、満期まで引き出せないというイメージがあるが、それはまちがい。あずけた翌日でも引き出せる。どちらも預入れから6ヶ月以内の解約は、普通預金・通常貯金の金利となるというだけだ。
 総合口座にしておけば、定期預金を解約しなくても、普通預金残高を超えて、定期預金残高の90%までキャッシュカードで引き出せる。急にお金が必要だけど、またすぐに補充できるなら、この「口座貸越」を使うのも手だ。

○ 使った分は計画的に補充しよう

 私事だが、昨年、郷里の母が急に入院したので、毎月の帰省費用を緊急費口座でまかなった。私のライフスタイルからいえば、生活費3か月分をプールをしておくべきなのだが、怠慢をして2ヶ月分のままだったので、ギリギリ足りなくなりそうでドキドキした。反省、反省。
 緊急事態がひとつだけだったので切り抜けられたが、うれしくないことに限って重なることも少なくない。ファミリーだと、一人暮らしよりも抱えているリスクファクターは多くなる。きちんと備えておきたい。

 緊急費口座は残高が減ったら、補充することが大切。引き出した分を一度に全額を補充する必要はないが、給料やボーナスから計画的に取り分けよう。-----
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