20代からの差をつけるマネープラン(12)

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

20代からの差をつけるマネープラン(12)

<マネー管理のための4つの口座> 4つめは殖やす口座

○口座を使い分ければ、ペイオフも恐くない

 ひとつめは生活口座、ふたつめは緊急費口座、3つめは特別費口座。
 そして4つめが、殖やす口座だ。

 4月からペイオフが完全解禁になり、これまでは全額保護だった「普通預金」も、定期預金と同じあつかいになる。つまり銀行が破綻すると、払いもどしが保証されるのは、ひとつの金融機関ひとりあたり合計で元本 1,000万円の預金とその利息となる。

 億単位の資金を安全性第一で運用しなければいけない団体にとっては(1団体もひとりとみなされるので、)資金をどうするかは深刻な問題だ。しかし、個人にとっては、問題ではない。
 目的に合わせて口座を使い分けるなら、銀行預金に1000万円を超えるお金を預けるということは、まずないからだ。

 銀行預金でOKなのは、生活口座<普通預金>、緊急費口座<定期預金を総合口座にセット>、特別費口座<貯蓄預金>の3つ(もちろん、それぞれ郵便局や証券会社の商品を使うこともできる)。

 月収50万円としても、適正な額はそれぞれ40万円、40〜120万円、60〜120万円くらいなので、合計140〜280万円。これだと、年収2000万円の人がこの3つの口座に全部銀行預金を使ったとしても、合計1000万円以内におさまる計算だから、ペイオフ解禁はまったく問題ない。これから説明する殖やすお金は、銀行預金にフィットしない。

 銀行預金が1000万円を超えるのは「殖やす」マインドがない人というわけだ。では、その「殖やす」口座はどうすればいいだろう。

○殖やす口座は、複数の商品を組み合わせる

 殖やすお金は5年以上、多くの場合10年、20年以上かけて積み立て、増やし、運用するお金だ。

 来年どうなっているかを予想するのも難しい20代に、10年後、20年後といってもピンとこないだろうが、だれでも年は確実にとる。今は安アパートにひとり暮らしでも、10年後は子ども2人の4人家族でマンション住まい、30年後は会社役員で豪邸住まい、子も独立して退職間近、になっているかもしれない。(20年後も、今のアパートでひとり暮らしという可能性もあるでしょうが)
 そして人生の節目ふしめ、また自分の夢を形にするときには、まとまったお金が必要だ。
 
 そのためには、インフレに耐えられる運用、さまざまな社会の変化・いろいろなリスクに耐えられる運用こそが大切だ。日本が、世界が5年後10年後にどうなってるかなんて、誰も予想できない時代だ。そんな今、ひとつやふたつの商品では対応できない。
 金融商品は、それぞれ仕組みがちがう。世の人が考える万能の商品――たとえば、元本保証の確定利回りで、利率が高く、インフレでも目減りせず、いつでも解約でき、円高にも円安にも強い商品――は、残念ながら存在しない。
 性質のちがう複数の商品を組み合わせることで、経済が右に動いても、左に動いても、予想があたっても、はずれても、一定の目標を達成することが、はじめて可能になる。

 複数のというのは、主に次のような商品だ。

・日本の株式   インフレを上回る利回りが期待できるが、
         値動きが大きく、不況期には大きく値下がりする。

・日本の債券   預貯金を上回る利回りが期待できるが、
         金利上昇期には値下がりする。

・日本の不動産  債券を上回る利回りが期待でき、
(REIT)   値動きは株より安定しているが上下する。

 同じ商品が外国にもあり、今は少額から気軽に投資できるようになっている。商品の性質は国内のものとだいたい同じだが、それに為替リスク(円高で値下がりする)が加わる。

・外国の株式   長期的には値上がりが期待できるが
         日本不況時の値上がり、日本好況時の値下がりもある。
・外国の債券   一般に国内債券より高利回りだが、
         デフォルト(債務不履行)リスクが高いものもある

・外国の不動産  日本より高利回りの商品が多いが
(海外REIT) 市場動向を読むのは日本以上に難しい

 では、これらをどう組み合わせて、どう使ったらいいか。次回以降、具体的に考えていこう。

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