20代からの差をつけるマネープラン(13)

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

20代からの差をつけるマネープラン(13)

<マネー管理のための4つの口座> 4つめは殖やす口座

4つめの「殖やす口座」は、長い期間かけてお金を積み立て、運用して殖やしていくためのもの。経済が右に動いても、左に動いても、予想があたっても、はずれても、人生のいろいろな目標をクリアしていくためには、性質のちがう複数の商品を組み合わせることがポイントとなる。

 ふつうの20代、30代が使える商品には次のようなものがある

・日本の株式/日本の債券(預貯金)/日本の不動産(REIT)
・外国の株式/外国の債券(預金) /外国の不動産(海外REIT)

 では、殖やす口座への月々の積み立てが1万円〜数万円、ボーナスからが数万〜数十万円という中で、いったいどう組み合わせればいいのだろうか。
○約半分を国内の預貯金や、債券型のものに

 世の中、絶対安全というものはない。元本保証の預金といえど、インフレ率(物価上昇率)が預金の金利より高ければ、その分目減りしてしまう。インフレ率3%で預金金利1%なら、年2%の目減り。10年で約20%、20年で約40%目減りしてしまう。
 だがまあ、今の日本、高インフレがずっと続くことは考えにくい。大きくは増えないが減るリスクが小さいということで、殖やすお金の約半分は、これら預貯金や債券型のもので積み立てるのが基本となる。

 勤務先に財形制度があれば、これを使うといい。財形は、給料からの天引きで、会社の提携している金融機関(複数あることも多い)に積み立てる仕組み。個人で積み立てるよりお得というわけではないが、確実に積み立てられるし、心理的に引き出しにくいのがいい。

 財形が使えないなら、銀行の「自動積立定期」、郵便局の「オート定額」、ひと手間かけて証券会社の「MMF(ただし元本保証はない)」あたりで積み立てることになる。金利はほぼ横並びだが、一般の銀行よりはネット銀行の方が金利は高めだ。

 ほんとうは長期の積み立ては、長期債券をベースとした商品がのぞましいのだが、残念ながら今の日本には該当する商品がないので、預貯金やMMFで代用するしかない。金利水準が上がってくれば、長期の積み立てに向く債券型の商品が出てくるかもしれない。
 ボーナスからの積み立て分は、年4回募集される「個人向け国債」を使う手もある。預貯金よりはやや有利だ。

○半分を日本株+アルファで

 長期に積み立てるお金の半分は、リスクのある商品で積み立てていこう。 リスクのある商品での運用の基本は、組み合わせだ。
 たとえば日本株とアメリカ株。日本株が下がり基調でも、アメリカの経済が元気で株が値上がりすれば、両方を持っていればマイナス・プラスあわせてプラスにすることもできる。1990年代は、日本株を持っている人にとっては悪夢の10年だったが、アメリカ株と半々で持っていれば、トータルではかなりプラスになったはずだ。
 日本もアメリカも両方ダメでも、ユーロ圏とか、アジアとかオセアニアの株は大丈夫かもしれない。
 株がパッとしない時期でも、不動産の利回り+値上がりで稼げる可能性もある。
 つまり、これが組み合わせ=分散投資をする動機だ。
 2種類持っていればひとつがダメでも、もうかたっぽがいいかもしれない。 4種類もっていれば、そのうちひとつかふたつかは、いい成績を出してくれるんじゃないか。
 
 実は、お金持ちの運用をおまかせで引き受けている「プライベート・バンク」も昔からこの手法を使っている。相場を予想して、より高いパフォーマンスは狙うのだが、危険を小さくするために、つねに資産を分散させておくのだ。
 20代(あるいはもっと年上でも)の運用初心者としては、まず「日本株」に手を出してほしい。
 資金も限られているので、ひとつ「コレ!」という運用の柱になる商品を決めたいのだが、それには情報量の多い日本株がいいと思うからだ。
 その上で、資金と相談しつつ、自分の相場観に合うものをひとつ〜みっつくらいプラスしていくといいだろう。

 リスクのある商品での運用については、次回以降もっと具体的に考えていきたい。

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