お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)
<20代で考える老後(1)>
まだ暑いけどもうすぐ夏も終わり、まもなく9月だ。9月といえば「敬老の日」。というわけで、今回からしばらく老後について考えてみよう(ちょっと強引かな?)
20代後半の人たちに聞いてみると「老後」に対する意識は二分される。あまりにも先のことで考えたこともない人たちと、30年以上先の退職後のことを今から心配している人たちだ。すると貯蓄に対する行動も二つに分かれる。「お金は今日を楽しく生きるためのもの」とほとんど貯蓄をしない人たちと、「不安な将来に備えるため、懸命に節約して貯蓄をする人たち」だ。
どっちがいいのだろう。実はどちらも問題だ。
結論からいえば、20代から老後=退職後のために貯蓄したり年金保険に入ったりマンションを買う必要はない。必要がないというより、しないほうがいい。 しかし自分の将来のための、つまり結婚や住まいや子育てや夢実現のためのプランや貯蓄は必要だ。そして、後述するがこれらの目的のためにきちんとお金を貯めていけば、それがやがては退職後の備えにつながるのだ。
20代の今から老後を心配している人たちは「今を楽しむ」という人生の中でとても大切なことを見逃してしまう恐れがある。
本当は旅行に行きたいけど「ここでお金を使ったら退職後の生活費が足りなくなるかも」という不安であきらめたり、毎月の年金保険料を払うために交際費を節約して友達と疎遠になってしまったり。これって、なんか変じゃない?
大切なのはバランス感覚だ。今を楽しく充実させて生き、でも将来にも備えていく。
第1のポイントは、ここの「将来」という部分。20年先や30年先ではなく、まず今年から10年後までを考えてみよう。
今、27歳なら、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37歳くらいまで。この10年の間に、いったいどんなことが起こるだろうか、どんなことを起こしたいだろうか。
結婚すること、子どもを持つこと、あるいは独身を続けること、昇進すること、転職すること、資格を取ること、コンサートや個展を開くこと、子どもが小学校に上がること、独立してフリーランスになること、引っ越すこと、家を買うこと、外国に住むこと、etc.
こんなことを真剣に考えていたら、老後までは頭が回らない。
60代のライフスタイルというのは、50代をどう生きたかによって決まる、50代は40代をどう生きたかによって、40代は30代をどう生きたかによって、そして30代は20代をどう生きたかによって決定される。だから20代のあなたが、30代、40代、50代をとばして60代以降のことを考えても、机上の空論になってしまう恐れが大きい。空しいプランというわけ。
老後のために今できること(もちろんお金のことを含めて)をしようと思うならまず、今年から10年間をいかに充実させるかを考え、そして実行しよう。 なすべきこと、やりたいことをひとつひとつ実行していくために、きちんとお金を貯めよう。そのために、きちんと稼げる自分をつくろう。そして稼いだお金を適度に残すシステムをつくろう(収入の1〜2割を確実に貯める4つの口座システムがお勧めだ→本シリーズの8回〜13回を参照)。
夏の終わり、せみの声を聞きながら、これから10年間でやりたいことを思いつく限り紙に、あるいはパソコンの画面上に書き出してみるというのはどうだろう。
これが20代のうちにやっておきたい「老後の準備」のうちの最重要課題だと思う。
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