20代からの差をつけるマネープラン(23)

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

20代からの差をつけるマネープラン(23)

<20代で考える老後(2)>
○ポイント2 ローンを借りないこと

 20代では、30年以上も先の老後のことを考えたり、そのために貯めたりするのではなく、今を、またこれからの10年をどう充実させて生きるかを考えようと提案した。
 もうひとつ大切なことは、ローンを借りないことだ。

 今後10年を考えてみよう。
 月並みだけれど、たとえばこんなプランを考えたとする。

・2年後   結婚・引越し
・4〜5年後 転職
・6年後   1子誕生、妻が1年間休職
・7年後   車購入
・10年後   マイホーム購入

 実は、これらのイベントすべてに「ローンの誘惑」がひそんでいる。

 結婚にお金をかけるかどうかは、本人やその家の価値観しだいだが、引越しをして新生活を始めるのには確実にお金がかかる。
 地味婚派であっても、新生活スタートのためには最低100万円は準備しておきたい。
 結婚するときに貯金がないとどうなるか。親に出してもらう部分もあるが、多くのカップルはローンを借りることになる。ローンありということは、貯蓄残高マイナスということ。マイナスでスタートの結婚生活は厳しい。毎月ローンの返済があるので、それが終わるまではなかなか貯蓄できないのだ。
 何回か話しているが、理想は結婚までに年収分貯めること。これなら、確実にプラスのスタートが切れる、

 転職は、夢へ一歩近づくステップアップであっても必ず収入アップとは限らない。転職のために、一定の失業期間を経なければならないかもしれない。このとき、収入減を補う十分な貯蓄がなければ、消費者ローンに手を出してしまう可能性もある。思い通りの転職を実現するにも貯蓄が必要だ。

 子どもが生まれる。健康保険からの出産育児一時金もあるし、出産そのものにはそれほどお金はかからない。しかしこれを機に妻が仕事を辞めると、世帯の収入は半減する。仕事を続ける場合も、育児休業中の収入は現役中の2〜3割に減る。このとき、上手に家計を引き締めないと、赤字が続いて貯蓄がそこをつきローンへということにもなりかねない。妻が仕事を続けるかやめるかは、本人にとっても家族にとっても非常に大切なこと。そのときに、現実的なお金の面のことも、シミュレーションして考えてみよう。

 小さな子どもがいると、荷物も多いし外出に何かと制約が出るので、車を買う家庭が多い。車を現金で買う分にはそう問題はないのだが「車はローンで買うもの」と思っている人も多い。ローンで買うと、トータルで車の値段より2〜3割多く支払うことになる。その分、貯蓄しにくくなるのは明らかだ。
 10年後30代後半で、十分な頭金がたまっていれば、家を買うことも夢ではない。住宅ローンは、唯一借りてもいいローンだ。ここで気をつけなければいけないのは、借りすぎないことだ。無理なく返済でき、返済中も貯金ができる借入額の目安は、年収の4倍まで。
 これ以上借りると、その後貯蓄ができなくなる(このとき車のローンがあると家計は悲惨な状況に)。子の教育資金も、自分のための老後資金にも手が回らなくなる。

 ここでは、誰にでもあてはまる無難なイベントを並べたが、独立企業や留学などの夢がある場合も基本は同じ。多少予定通りに行かないことがあっても、ローンを借りないですむように十分な貯蓄をしておくことがポイントだ。
 その心は?「借金がなければ手取り収入の1〜2割を貯蓄し続けることができる」からだ。これができれば、老後への具体的な備えは40歳くらいからで十分。
 というわけで、20代の今できる老後への備え2番目は「ローンの誘惑」に引っかからないことだ。しっかりと肝に銘じてほしい。簡単に思えるが敵は巧妙だぞ!

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