投資のはじめ方、学び方(1)

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

投資のはじめ方、学び方(1)

昨日、マネックス・ユニバーシティの設立パーティーに出席させていただいた。遅ればせながら『「長期」「分散」「最適」で考える世界一シンプルな投資法』も読ませていただいた。そして感じた。こりゃあ、やっぱりまだ難しいなあと。なぜだろう。

 FPの個人相談にくるお客さんも、セミナーの参加者も、最近は圧倒的に「投資をはじめたいんですが、どう始めたらいいかわからないんです」という方が圧倒的に増えてきた。証券会社をはじめとする金融機関、マネーリテラシー向上を目的としたいろいろな団体が「投資教育」に力を注いでいるにもかかわらず、いまだに「何をどう始めたらいいかわからない」という人が多いのだ。どうしてだろう。
 理由をいくつか考えてみた。その対策もあわせて考えてみたい。

1、間違った先入観がじゃまをする。
 長らく日本の「投資」環境は、金持ちのためのものでその上フェアじゃなかった。
 まとまった金を持っていないと投資できなかったし、不正ははびこっていたし、情報は偏っていたし、投資ノウハウは確立されていなかった。その結果、投資=金持ちがやる品の悪い「バクチ」というイメージが出来上がってしまった。実際5〜10年位前までは、大きな変化はなかった。

 なので、市場がだいぶ整備され、商品の質もよくなり、サービスも向上し、投資金額が小口になっても、悪いイメージや間違ったイメージを持ち続ける人がいても無理はない。そろそろいいかなと思う頃に、証券取引所のトラブルや上場企業の不正などが次々と起こると「やっぱり変わってないんだ」ということになってしまう。

 しかし、何に対してもそうだが「古い知識」や時代遅れの「思い込み」を持ち続けると、間違った判断をしてしまい、間違った行動をしてしまう。「○○だから投資をしない」というのも間違った行動だ。
 もし読者の中に、投資はよくない、普通の人がやることではない、投資をする価値はないと感じている人がいたら、一度頭の中の古いデータをデリートして、新しい情報を先入観なしでインストールしてみよう。
 そのとき、証券会社が投資促進のために提供している「売り手情報」ではなく、中立な情報が手に入るのが望ましい。マネックス・ユニバーシティがその役割を果たしてくれるのを期待したい。

2、新しい言葉、概念が思考をブロックする。
 投資を始めるには、新しい言葉の意味を理解する必要がある。指値とか前場とか投資信託とか、、、
 でも、多くの人たちにとって、なじみのない新しい言葉や概念をマスターするのは簡単じゃない。パソコンを始めるときにやっぱり障壁になるのは専門用語。アイコンとかクリックとか。まあ、なじんでしまえばなんでもないのだが、なじむまではかなり大変だ。
 これを本や雑誌、ネットだけでマスターしようとするのはけっこう難しい。ここが難関だと思う人は、ちょっと詳しい人に口頭で説明してもらうのがいい。証券会社や銀行の窓口でもいい。そして、わからないことはどんどん質問する。口で説明してもらい、疑問点をわかるまで説明してもらった「新しい言葉」の障壁はだいぶ低くなっているはずだ。
 でも、ベースボールを「野球」と翻訳した先人のように、粋なセンスで投資のさまざまな用語をしっくりくる日本語に翻訳してほしいなあとは、まえまえから思っている。MRFっていわれるとやっぱり、普通預金よりもずっとむずかしげだ。

3、完璧にわかってから始めようとする。
 ものの本には「わからない投資に手を出してはいけない」と書いてある。しごくもっともだ。でも、実際にやってみないと本当にはわからないというのも投資の現実だ。
 ひととおりのことを勉強して、だいたいの仕組みがわかったら、小さな金額で実際に投資してみることをオススメする。大体わかるというのは、カンニングしないで概要を他人に説明できるというくらいだろうか。
 よく提案するのは「インデックスファンドを1万円だけ買ってみよう。」ということだ。そのためには、証券会社に口座を開き、入金し、買い注文を出すという一連の「行動」をすることになり、ひとつひとつをこなすために、新しい言葉や概念にぶつかるので必然的にそれを経験し(望むらくは)マスターすることになる。
 買った後、インデックスファンドの値動きを経験することができ、そのときの自分の感情の動きを経験することができる。そして、その経験の中からいろんなことを学ぶことができる。
 
このほかにも、投資が始められない理由として

4、わからないまま手を出して失敗してしまい、わからないままイヤになって  しまった。
5、矛盾する情報が交錯している。
6、カリキュラムがととのっていない。
7、算数が苦手だ。
などが考えられる。次回はこれらについて考えてみたい。

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