お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)
○熱い「株特集」に踊らされないで!
月刊マネー雑誌の発売は20日頃に集中している。今月も各社からいっせいに送られてきたが、表紙をみてくらくらとめまいがしてきた。
株・株・株・株・株・株・株・株・株・株・株・株のオンパレードだ。どこも超強気。でも、ここで乗せられないで、冷静に自分のスタイルをつくり、つらぬく「勇気」が必要になってくると思う。
投資の基本は「自分で判断、自分で行動」だが、こうあおられると、ほんと難しくなってくる。冷静に、冷静に。始め方を間違えると失敗したときに「もう二度と株はやらない」と、極端に走ってしまいがちだ。
繰り返しになるが、投資をするときは「小遣い稼ぎ」スタンス・・短期売買でいくか「資産づくり」スタンス・・積立や長期保有でいくかを決め、それぞれにいくら割り当てるのかという予算を守ることが大切だ。上がり相場だからといって、スタンスを変えたり予算オーバーにならないよう心されたし。
○算数、実生活に使っていますか?
さて本題。投資をはじめられない、はじめたけどうまくいかない理由のひとつに「算数が苦手」というのがあると、個人的ににらんでいる。
苦手というのは、算数そのものができないというよりも、実生活に生かせないという意味だ。次の問題をやってみてほしい。
Q1 年収の1割を貯蓄したら、10年後にいくらになる?
Q2 毎月2万円の保険料を30年間払ったらいくらになる?
簡単だ。Q1の答えは「年収分」、Q2の答えは720万円だ。だが実は、こんな簡単なことを「考えたことがない」人がおそろしいほどたくさんいる。Q1の答えを知っていれば、就職したらすぐ貯蓄をはじめるはずだが、知らないからそうしない。Q2は、これだけ高価な買い物ならもっと保険の内容を知ろうとするはずだが、そうしない。ということになっているのが現実だ。
投資についても、同じことが言える。次の質問にこたえられるだろうか。
Q3 今持っている金融資産で、10年(あるいは5年)以上使う予定のないお金はいくらか。
Q4 その50%はいくらか。
長期に運用できる資金の半分を、投資型の商品で運用できるというセオリーを受け入れれば、Q4の答えが「あなたが投資にまわせる金額」(資産づくりスタンスで)となる。
ところが、多くの人はこんな簡単な計算をしないまま、株式投資やそのほかの投資に突入してしまうのだ。
○お金のことは簡単だ
お金の簡単な点は、数字で考えられることだ。割合で考えることも、複利で考えることもでき、いろいろなシミュレーションができる。毎月いくら貯めたら○年後にはいくらになるとか、退職までに3000万円ためるには、毎月いくらためるとして○%で運用しなきゃいけないとか。表計算ソフトを味方につければ力強い。
ところが恋愛や子育て、家族関係はこんなに簡単にはいかない。5年後もいい関係を持ち続けるには、1日3回「愛していると言えばいい」というわけにはいかない。積み立ても複利もなしだ。
こんなに簡単なお金のことなのに、算数は学校で紙の上だけで、試験のためだけにやるものという間違った考え・習慣がある。自分で自分のことを計算しようとしないのは不幸だ。
せっかく習ったんだからどんどん使おうよ、算数。
夢1を実現するには、いつまでにいくら貯めたらいいんだろう。そのためには毎月いくらずつ積み立てたらいい? 実現のための運用利回りは何%が目標になる? 今あるお金は利回り何パーセントで殖やせばいい? 夢2、夢3は? 自分の生活に算数を使えるようになったら、投資にも戦略をもって、明確な目標を持って、冷静に臨めるようになるはず。そうしたらまわりの「株ブーム」にも踊らされなくてすむよね。
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