50代で考えるマネープラン(1)

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

50代で考えるマネープラン(1)

○悩み多き?プレミアム世代

 最近は50代のことを「プレミアム」と呼ぶらしい。ちょっとおしゃれな女性誌(生活情報+ファッション)が、50代向け別冊として「××××プレミアム」というのを発売していたし、某証券会社の「プレミアムセミナー」は50代以上向けだった。

 プレミアム(premium)は形容詞だと「上質な」とか「上等の」という意味。日本語ではワンランク上のというイメージが加わるようだ。余談だが、プレミアムは名詞では、額面以上の価値という意味のほか、保険料という意味もある。
 50代って、経済的にはかなり恵まれていて、確かにワンランク上といえるかもしれない。公的年金を受け取り始める年齢は、60歳から→65歳からへと徐々に後ろだおしになるとはいえ、年金額は今の20代30代がもらう額のだいたい2割増しだ。退職金や企業年金は、これからどんどん減りそうだが、50代はほぼ減額前の金額を受け取る。多くは1980年代後半のバブルの前にマイホームを買っているので、住宅ローンの負担も家計を圧迫せず、豊かな「消費」を経験してきた。

 40代以下の世代から見るとうらやましい限りだ。
 しかし実は(FPの目で見ると)50代の悩みは大きい。

 経済的には恵まれていても、その恵まれていることを知らない場合が多い。 公的年金と退職金だけで十分生活していける人でも、「老後の生活費、大丈夫だろうか」と頭を悩ませている。
 ここ5年くらいで急速に金融の自由化が進んだが、仕事が忙しくて「投資」や「運用」にうとい人も多く、「このままではダメだ。何かしなくては」とあせっている。
 50代には、子世代(10代後半〜20代)にニートや引きこもりの問題をかかえる人も多い。それも悩みの種だ。

 70〜80代の親の介護の問題に直面していたり、直面していなくても「間もなくか・・」と心配はつきない。
 夫婦関係もしっくりいっているとはいいがたい。
 などなど、大変だ。

 今回からの「10年後に笑う」シリーズでは、50代のお金の悩みに焦点を当てて、ひとつずつ考えていきたいと思う。

○ 最初のいちばん大切なステップ=年金額を調べる

 今日、第1回は「自分の年金額を確かめてみよう」だ。
 50代の人と話して意外なのは、多くの人がだいたいの年金額の目安をつけていても、正確なところは問い合わせたり調べたりしたことがないということだ。 受取開始年齢が、生年月日によって1年ずつずれていく世代なので、「何歳からもらえるか」は、だいたいの人が正確に知っているが、金額はあやふやだ。
 50代のお金の不安の最大の要因は、自分の年金額がわからない(知らない)点だ。実は、想像していた額より少なくても「あなたの年金額は、これだけですよ」と具体的な金額を示されると「あ、そうか」と不安は急に小さくなる。正体がわかれば幽霊は怖くないのだ。

 実は年金額を調べるのは簡単。
 以前は55歳以上にならないと、社会保険庁に自分の年金額を問い合わせることができなかったが、今年2006年の4月から、50歳以上の人は自分の年金額の問い合わせができるようになった。
 自分で社会保険事務所や年金相談センターに出向いて調べてもらうこともできるし、社会保険庁のホームページ(http://www.sia.go.jp/)で調べることもできる(プロセスはやや面倒)。加入暦が比較的シンプルな人(転職を繰り返していないし、保険料免除の期間がないなど)なら、年金相談専用電話(ねんきんダイヤル 0570−05−1165)で問い合わせることもできる。 問い合わせには「基礎年金番号」が必要。出向くときには、何を持っていったらよいかあらかじめ聞いておこう。

 退職後のお金を考えるとき、収入の柱である「公的年金額」を知ることは、もっとも大切なことだ。ちょっとばかり面倒だが、投資や運用を考える前に、ぜひ自分の年金額を調べることを実行してほしい。

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