50代で考えるマネープラン(7)

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

50代で考えるマネープラン(7)

50代で考えるマネープラン(7)
 40代から知っておけば鬼に金棒です。

 住宅ローンを見直そう(2)

 50代できちんと考えておきたい「住宅ローン」。前回は、退職後も返済が続く借り方をしているなら、退職までに返済が終わるように「繰り上げ返済」をしよう。そのためにいろいろな方策を考えようと提案した。

 でも「うちは退職までには返し終わるから」と油断するのは危ない。その住宅ローン、「借り換え」で金利負担を小さくすることができるかもしれない。
 今の50代の人たちの多くは10〜20年前に自宅を手に入れたはずで、そのときの借り入れの主体は住宅金融公庫だったはず。公庫融資だけで足りなかった分を年金融資や財形融資でおぎない、それでも足りなければその分を銀行から借りるというのが当時のシナリオだった。銀行だけから借りるのは一般的ではなかった。公庫の方がぐんと金利が低かったからだ。

 ところが金融の世界は大きく変わる。借りた当時もっとも金利が低く、もっとも
有利だった公庫のローンも、いつまでもそうとは限らない。

 今は変わったが、以前の公庫のローンは「借り入れから10年過ぎると金利が上がる」仕組みになっていた。たとえば5年前の今頃借りていたら、当初10年は2.6%だが11年目から4%、10年前なら3.1%→3.3%、15年前なら5.4%→6.4%、20年前なら4.2%→4.7%という具合だ。

 11年目から金利が上がる「段階金利」がなくなったのは昨年6月とついこの前(今の基準金利は3.6%で11年目以降も変わらない)。それ以前に借りたら、借りたときは金利が低く有利でも、11年目からけっこう高い金利を払うことになっている。実際その金利を払い続けている人もいる(信じられないけど)。

 10年前に借りた人(当初も11年目以降も3%前半)ならまだいいが、15年前の人がそのままなら、今6.4%の金利を払い続けていることになる。5年前の人も5年後には4%の金利を払うことになる。

 こういう人たちは、金利水準の低い今、金利の低い民間ローンに「借り換え」することで、今のあるいは将来の金利負担を小さくすることができる。

 20年前に借りた公庫融資の金利が今4.7%、残高1000万円あと10年なら、今後の返済額の合計は1255万円だが、これを2.7%10年の固定金利ローンに借り換えれば1142万円に。100万円以上の金利節約になる。

 借り換えには金額や期間に応じて数十万円の手数料がかかる。手数料は金融機関によって違うが、上の例で手数料を25万円としても88万円の得。借り換えの手間をかける価値は十分にある。

 9年〜2年前に公庫から借りた人は、今はまだ低いが11年目以降の金利が4%に上がる(!)。今のうちに2%台の全期間固定や当初10年固定型に借り換えておくのがおすすめだ。各銀行のキャンペーン金利をチェックすれば2%台の借り換えは可能だ。

 借り換え後の新ローンは、旧ローンの条件に左右されずかなり自由に条件を決められる。旧はあと15年でも、新を10年にすることができるし、旧はボーナス払い
併用だったのを、新は毎月払いのみ(ボーナス時増額なし)とすることもできる。

 新ローンの期間を旧ローンより短くすれば、金利そのものが低くなる上に「期間
短縮」の効果も加わって、借り換えによる金利節約効果はさらに大きくなる。
 というわけで退職に向けてのマネープラン、「貯める」「殖やす」ばかりが脳で
はない。繰り上げ返済や借り換えなど住宅ローンを見直すことで、金利を節約でき、退職後マネーをぐっとシンプルにできる。これから金利が上がりそうだけどまだまだ低い「今」こそ、住宅ローン、見直し時ですよ。

(金利情勢の変化等により、記載された内容と異なる場合がございますので予めご了承ください。)

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