50代で考えるマネープラン(9)

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

50代で考えるマネープラン(9)

 50代で考えるマネープラン(9)
  40代から知っておけば鬼に金棒です。

 <退職後は2つのステージがある>

 ○アクティブなゴールデンステージ

 現役時代は、退職後を「ひとつの時代」としてとらえがちだが、それはちょっとばかり大雑把すぎる。
 ここでは、退職後をふたつのステージに分けて考えることを提案したい。 ひとつめは退職後から10年くらいの「ゴールデン・ステージ」、その後の「プラチナ・ステージ」だ。

 ゴールデン・ステージのキーワードは「アクティブ」。まだまだ体力には自信があり気力も充実している。やりたいこともたくさんあり、実際にいろいろなことができる時期だ。70歳でエベレストに登る人もいる。アクティブな60代なら「日本の百名山征服!」「ヨットで南太平洋航海」「ホノルルマラソン参加」くらいなら十分できるだろう。女性なら「海外ロングステイで料理とガーデニングを学ぶ」「着物で歌舞伎三昧」「声楽を学びなおす」とかだろうか。
 ゴールデン・ステージでは、夫婦がずっとやりたかったことを実現するための計画をつくり、そのためのマネープランをつくりたい。やりたいことが多ければその分お金もかかる。準備できるお金と見くらべて、優先順位をつけつつ、充実したステージを設計したい。

 ○夫婦別行動、別予算、別居もあり

 夫婦のやりたいことが違うなら、それぞれが自分の「予算」を持ってその範囲でプランをつくるのがいいだろう。予算は夫婦同額が自然だが、夢実現の値段に応じて、話し合って割合を決めてもいい。この時期は、自分の夢を実現するのに適した場所にそれぞれが住む「パーシャル別居」もありだと考える。
 私が知っているある夫婦は、夫はオーストラリアに住み地元のオーケーストラでビオラを演奏したり音楽関係のプロデュースをしたりしている。舞踏家の妻はメキシコに住み、やはり地元で舞台をやったりダンサーのコーディネートをしたりしている。仲のよい夫婦なのだが、自分たちのやりたいことをやるため、子どもの独立を期に妻がメキシコに移り住んだ。3ヶ月に1度、どちらかの国か、あるいは間の国(日本など)でデートしている。楽しそうだ。
「今は」このライフスタイルが気に入っていると言っていた。

 ○プラチナステージは、行動量より生活そのものの質

 やりたいことをひととおり成し遂げたり、体力に少し自信がなくなってきたら、そろそろプラチナ・ステージだ。退職して10年くらいたち70〜75歳になると、パートナーといたわりあって共に過ごすことが、以前にまして大切に感じられるようになるだろう。どちらかが病気をしたり、生活するのに人の手を借りる必要が出てくる可能性もある。

 アクティブを堪能し卒業したこの時期は、趣味やレジャー、旅行などのための金額は小さくなる。保険や貯蓄で病気や介護へ一定のそなえがあれば、あとは基本的な生活費を手当てしておけば十分だ。つまり「余暇費」などは、退職後同じ額をず〜っと見積もるのではなく、当初10年ほどを多めに、夫婦別に、見積もるのが現実的なのだ。

 退職の前後は、ゴールデン・ステージだけを思い描いてお金のプランもそこを基準につくりがちだ。しかしその次のプラチナ・ステージを視野に入れれば、お金のプランも、夢へのアプローチも、配偶者への接し方も、おそらく変わってくる。

 退職後のプランは2つのステージを考える。
これ、現実的で大切なことだと思います。

(ファイナンシャル・プランナー 中村芳子)

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