50代で考えるマネープラン(11)

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

50代で考えるマネープラン(11)

50代で考えるマネープラン(11)
  40代から知っておけば鬼に金棒です。

 「離婚による年金分割(2)−離婚しないほうがやっぱり得?−」

■年下の妻がいると老齢厚生年金におまけがつく

 前回は、夫が会社員で妻が専業主婦の夫婦が2007年4月以降に離婚した場合、夫の老齢厚生年金部分が分割されて妻に直接支払われるようになるという話をした。分割は夫婦が合意することが条件だ。
 いつ離婚話を切り出そう、どう合意をとりつけようと考えている女性もいるかと思うが、実は、離婚しない方が夫婦が受け取る年金の合計額が多くなることがある。

 厚生年金から払われる「老齢厚生年金(コウセイ年金)」は、受取人に65歳未満の扶養している妻がいると「加給年金」というおまけがつく。金額は年約40万円(特別加算を含む)。
 妻が65歳をむかえて自分の年金(老齢基礎年金=キソ年金)を受け取るようになると、夫への加給年金はストップするが、かわりに妻自身に「振り替え加算」がつく。金額は妻の生年月日で違うが、たとえば1950年10月生まれの56歳の女性なら約8万円だ

 離婚して年金分割すると、夫への加給年金も妻への振り替え加算もつかなくなる。妻が3歳年下で85歳まで生きるとすると、加給年金3年分(120万円)振り替え加算20年分(160万円)の計280万円を受け取りそびれることになる。
■離婚しなければ、夫死亡後は遺族厚生年金が払われる

 妻の側から見ると、夫死亡後の年金額も変わってくる。
 夫のコウセイ年金を前回のケースと同じ111万円としよう。離婚の年金分割で妻が受け取れるのは最高でも50%の55.5万円。この額を離婚後、自分のキソ年金にプラスして受け取る。
 離婚しなければ、夫の死亡後は自分のキソ年金にプラスして「遺族厚生年金」を夫のコウセイ年金の4分の3受け取る。このケースなら約83万円だ。

 つまり、加給年金と振り替え加算から考えても、遺族年金から考えても、離婚するよりしない方が受け取る年金額は多いのである。
 もちろん円満で離婚しないのが理想だが、仮に別居をしても離婚せずに年金を分け合う方が、金額から見るとずっと得になる。まあ、そんなにうまくは行かないかもしれないけど・・。

 今の制度では、2人の男性が同じ会社に同じ期間つとめて同じ収入を得れば、同じ額の老齢厚生年金を受け取ることになる。しかし、妻が年下なら加給年金がつき、年上ならつかないことになる。
 う〜ん年上女房の皆さん、これ納得できる?

(ファイナンシャル・プランナー 中村芳子)

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