第 13 回 憧れのアノ物件のオーナーに、あなたもなれる!

投資をするなら、個別銘柄に投資をしたいと考える方も多いはず。
個別銘柄投資をするなら、知っておきたい、業種別アプローチの考え方を紹介します。業種別に見るべき視点や考え方などをご紹介します。
コラム執筆:『今どき、株で儲けるヤツは、「業種別投資法」を使っている』の著者 長谷部 翔太郎氏(現在は更新しておりません)

第 13 回 憧れのアノ物件のオーナーに、あなたもなれる!

みなさん、こんにちは。『今どき、株で儲けるヤツは、「業種別投資法」を使っている』の著者
の長谷部翔太郎です。第13回目の今回は、前回にご紹介した不動産業界に関連してより金融商品としての色彩が濃いREIT(不動産投資信託)を取り上げてみましょう。

そもそも不動産そのもの、あるいは不動産会社への投資は、多額の初期投資資金が必要となる上、個々の条件によりかなりパフォーマンスにはバラつきが出てしまいます。リスクヘッジをしようにも、実物不動産や株式でポートフォリオを組むことは個人では決して楽な相談とはなりません。そこで小口での不動産投資を実現する手段としてREITがあります。REITは不動産ポートフォリオを特定目的会社化して小口証券化したもので、正確には株ではなくて受益権証券となります。小口化されているので売買金額も抑制できるうえ、最初からポートフォリオとなっているため、リスクもヘッジできるという利点があります。証券化されているために容易に売買でき、不動産につきものの低い流動性も解消できる点もメリットです。

これらは主として保有不動産から得られる賃料収入がそのまま株主に配当される仕組みとなっており、配当利回り(=不動産賃料利回り)がREITを投資対象としてみる時の注目ポイントとなります。ただし、今後の賃料見通し、地価動向がその利回りに大きな影響を与えることは、不動産株と同じです。やはり地価が上昇する(あるいは上昇が期待される)局面では、REIT価格も上昇(=利回りは低下)する傾向にあります。ここは是非、前回の不動産業界のコラムを再読してみてください。なお、そのコラムでは不動産利回りは地価下落リスクや流動性が低いことなどから金融商品の中でも高めの利回りが設定されるとお話しましたが、受益権証券であるREITは売買が容易である分、不動産そのものや不動産株よりも想定利回りは低めに設定される傾向があります。

注意しなければならないのは、REITはあくまで受益権証券であって不動産所有権ではないということです。不動産の小口オーナーとして賃料収入を得る権利証券とでも表現できるでしょうか。そのため、普通の株式のように議決権などで経営に関与することはできません。不動産ポートフォリオの決定権もありません。REITは株式の体裁を取ってはいますが、投信や債券としての要素も強いのです。

そして、投信では決まった投資方針が示されるように、REITでもそれぞれ決まった投資(ポートフォリオの)方針があります。たとえば、オフィスビル中心のポートフォリオ、商業施設中心のポートフォリオ、マンションなどのレジデンス中心のポートフォリオ、そして、それらの混合型のポートフォリオなどです。
主なポートフォリオ別の代表的なREITとその投資物件の一例が下記です。ここでは敢えてみなさんが一度は聞いたことがありそうな企業が主な投資口となっているREITをあげてみました。投資対象の物件も見たことや聞いたことがあるものもあるのではないでしょうか。

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オフィス型はより景気の影響を受けやすい反面、一等地であれば逆に非常に賃料収入が安定しています。レジデンシャルは景気抵抗力が高いものの、ワンルームマンションなどを多く抱えている場合、かなり景気連動性を持つ傾向があります。

ただし、株式投信との決定的な違いは、株の場合はポートフォリオの入れ替えは(高い流動性を背景に)比較的容易ですが、不動産のポートフォリオ入れ替えは、やはりそんなに容易ではありません。REITそのものの流動性は高いのですが、ポートフォリオを構成する不動産については株の投信とは違って比較的固定化される傾向にあります。したがって、REITの銘柄選択には、この投資方針を確認しておくことが非常に大切になります。

<上記コラム内で取り上げた銘柄について、お取引を推奨し、勧誘するものではありません。銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさってください。>


コラム執筆:
長谷部 翔太郎
証券アナリスト。
日系大手証券を経て、外資系投資銀行に勤務。証券アナリストとして、日経や米Instititional Investors 誌などの各種サーベイで1位の評価を長年継続し、トップアナリストとして君臨する。外資系投資銀行で経営幹部に名前を連ねた後、現在は経営コンサルティング会社を経営する。著述業も手がけ、証券業界におけるアナリストのあり方に一石を投じる活動を展開。著書は、

『今どき、株で儲けるヤツは、「業種別投資法」を知っている』

『今どき、株で儲けるヤツは、「業種別投資法」を使っている』その他多数

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