ヘッジファンド投資のプロセス (9) 定性分析 法的関連

シブサワ・アンド・カンパニー渋澤健が綴る「オルタナティブ投資」の世界。「オルタナティブ投資」が目指す絶対的収益の根源とは?(現在は更新しておりません)

ヘッジファンド投資のプロセス (9) 定性分析 法的関連

 さて、投資判断を下す時前調査の最終段階は法的関連のリーガル・デューデリジェンスです。従来、投資家が「ヘッジファンドを買う」ということは店頭に並んでいる商品をひょいと買うこととは違います。実態は、運用委託の契約を相対的に結ぶことになります。

 その契約書もかなりぶ厚いもので、専門用語でびっしりと書いてあります。一般個人投資家が自分では乗り越えることは困難な壁であり、その面でもFOF(ファンド・オフ・ファンズ)経由などでヘッジファンド投資するメリットはあります。

 といっても、FOFは運用の専門家でありますが、法的関連の専門家ではありませんので、契約書のレビューは弁護士に依頼します。ファンド側で契約書を作成するのも、もちろん弁護士。ヘッジファンドと投資家が儲かろうと、損をしようと、絶対的に収益を上げられるのは弁護士さんです。

 ヘッジファンドの運用者は例えばニューヨークなどに滞在しても、ファンド自体は運用益などを課税対象としないケイマン島などのオフショア金融センターに設立される場合が多いです。この場合、「ファンド」と「マネジャー」は、法的には別の会社に所属することなり、「アドバイザー契約」などでお互いに結ばれています。「会社型」のファンドとして設立される場合もあれば、「契約型」のファンドとして設立される場合もあります。特に後者は、日本の大手金融機関が好む形態です。

 法的にファンドがキチンと設立されているか、ファンドとマネジャーとの間の契約がキチンと結ばれているか、解約事項はきちんと整備されているかなどを確認することがリーガル・デューデリジェンスの役目です。

 場合によっては、マネジャーおよび他の主要関係者の「バックグランド・チェック」を行う場合もあります。要は過去に処罰歴などがあるかということです。

 処罰歴の内容によっては、前もって投資家に開示しているようであれば、それほど問題にならないですが、いくら軽い処罰暦であっても、その自体をマネジャー側が隠しているということが判明すると、かなりマイナス要因として取られます。過去の過ちそのものを批判するのでなく、そのようなことが起こった場合はその人の人格は、信頼関係を築こうとしている中、重点を置くことは無難であると思います。

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