6月のヘッジファンドのパフォーマンスが揃ってきました。

シブサワ・アンド・カンパニー渋澤健が綴る「オルタナティブ投資」の世界。「オルタナティブ投資」が目指す絶対的収益の根源とは?(現在は更新しておりません)

6月のヘッジファンドのパフォーマンスが揃ってきました。

 春の「GMショック」では、ヘッジファンドが大きな損失を出したという報道もあり、3月〜5月は調子が悪いヘッジファンドも目立ちましたので、マスコミ的には「ヘッジファンドは立ち直ることができるか?」ということに焦点を当てたがっていました。

 結論からいうと、6月はかなり良い成果を残したヘッジファンドが目立ちます。特に株式ロング・ショート戦略の調子が良かったようです。

 私のビジネス・パートナーのひとつに株式ロング・ショート戦略に特化したファンド・オフ・ファンズが米国西海岸にありますが、彼らは6月に「ネット・オフ・フィー」(手数料徴収後)でも2%以上の運用成果をあげました。米国株式市場は、同月は基本的に0%だったのでたいしたものです。年間ベースですと、同FOFは+5%弱で、米国株式市場は−2%弱です。

 中身を見てみると、ほとんどの個別のヘッジファンドマネジャーたちは同月に収益をあげていますし、なかには+7〜8%という驚異的な収益を上げたマネジャーたちも入っています。これほど「立ち直って」しまうと、マスコミ的にはあまりニュースの価値がなくなってしまうかもしれないですね。

 他のヘッジファンド戦略はまだそれほど細かく見ていませんが、概ね良い成果を出すことができたのではないかと思います。そもそも「ショック」のときは感情的に市場が動くので、その結果として実態との「歪み」が生じます。その「ショック時」を上手に乗り越えたことができたヘッジファンドにとっては、いずれ感情性から合理性判断へ市場が移行したときに向かって絶好な収益チャンスを提供してくれる場でもあります。

 市場全体が「安心」しているときが一番怖いときで、返って市場全体が「心配」しているときが、一番収益チャンスがあるということが投資の基本中の基本でありましょう。

 そして最近つくづく思うのは、ファンド・オフ・ファンズというと「戦略分散」によって投資家のリスクを抑えるという考えが、特に日本国内では、固定概念としてありますが、実はヘッジファンド投資家自身のエッジ(特徴)を活かせる「特化型」のメリットとパフォーマンスの相関性が高いことです。当たり前ですね。わからないから分散するのではなくて、自信を持っているから特化する方針によって結果が違うことは。

 そういう意味で、日本・アジア戦略に特化する「アジア・フォーカス」の今後の発展は楽しみにしています。

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