シブサワ・アンド・カンパニー渋澤健が綴る「オルタナティブ投資」の世界。「オルタナティブ投資」が目指す絶対的収益の根源とは?(現在は更新しておりません)
私はオルタナティブ投資の仕事に個人投資家の皆様との接点が最近増えてきましたが正直言って、皆さんの投資意欲に心強く思っています。
機関投資家さんたちとオルタナティブ投資についてお話していると、このようなパターンが多いんです。「渋澤さん、このファンドは面白いですねぇ。パフォーマンスも優秀だし。。。しかし、投資できない理由が、これと、あれと、こんなのもありますねぇ。」要するに、否定から入るんです。
大口投資家といっても、機関投資家は誰かのお金を運用している仲介組織です。組織で他人のお金を運用すると、色々な社内規程や業界秩序に縛られます。ですから、サラリーマン投資家が個人的に面白いと思う案件であっても、彼自身の組織的リスクマネジメントを考慮すると決められたことしか行動しない、ということが一般的です。もちろん、面白いと思えば、関係者を説得して組織に通そうとする勇ましいサラリーマン投資家さんもいらっしゃいますが、これは、例外だと思います。残念ながら。
組織で投資すると、本当の意味で長期投資ができない、ということも難点です。ちょっと逆説に聞こえるかもしれませんが、組織で運用すると期間中(会計年度)に収益を出さなければならないという秩序があります。ですから、例えば銀行の場合は、理論的には非経済的であっても収益を配当として拠出しないと「儲け」として認められないという原始的な会計ルールに縛られています。
このような機関投資家と比べると、個人投資家は目線が違います。否定から入らないので活き活きしています。どのような投資が儲かるのか?良い投資先であれば、強引な営業に勧められない限り、腰が据わった長期投資できる有利な立場にいます。
小額であっても、個人は「仲介者」ではなくて、「最終投資家」。自分のお金なのでリスク・テイクができるのです。組織的リスクマネジメントではなく、本来あるべきリスクマネジメントを発揮できる訳です。
オルタナティブ投資における個人投資家の発展は、まだまだ始まったばかりと、今後の展開を楽しみにしています。この発展に適切に対応できるように、業界の更なるイノベーションも期待しています。
さて、このコラムを今後どのような方向に持ていったら良いか、読者の皆様にお伺いしたいと思います。
例えば、
○「オルタナティブ投資用語シリーズ」
やたらにカタカナやローマ字の散らばっている解説が多いので。
○「ヘッジファンド戦略解説シリーズ」
一言でヘッジファンドと言っても、色々な戦略があるので。
○「ヘッジファンド昔話シリーズ」
私が米国大手ヘッジファンドのムーア・キャピタルに勤めてときの思い出話。
どのような話にご関心があるかを alt-talk@shibusawa-co.jp までお知らせいただければ助かります。どうもありがとうございます。
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