1ドル=150円になったらあなたの資産は? −シンプルな資産設計入門−

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

1ドル=150円になったらあなたの資産は? −シンプルな資産設計入門−

円安が進んでいます。外貨資産を持っている人は為替益が増えますね。でもこんな質問にすぐ答えられますか?

<質問>更に10%円安になるとあなたの資産はどれだけ増えますか?

資産設計の話になると何だか難く面倒というイメージがあって気が滅入るという人もいるかもしれません。でもほんの少しの時間をかけるだけで最初の一歩を踏み出すことができるのです。その方法を今回は説明します。

まずは自分の資産がいくらあるのか知ることからはじめましょう。銀行の通帳、証券会社からの報告書、生命保険など保有している資産の預け先から送られた書類をまとめて手元に集め揃ったら、できるだけ最近の残高を確認。預金、株式、投資信託、だけでなく生命保険、会社の財形なども、すべて合計していきます。

次に、その資産を大雑把に分類してみます。大きく6つのグループに分けましょう。
1.安全資産グループ 預金、MRF、などリスクが低く換金性の高い円資産2.日本債券グループ 公社債、サムライ債、公社債投信など日本の債券に投資しているもの
3.日本株グループ 日本株(ミニ株も)や日本株式に投資する投信など4.外国債券グループ 外貨MMF、外国債券に投資する投信など
5.外国株グループ 外国株や外国株式に投資する投信など
6.その他 どれにも当てはまらない商品

こんな大雑把で良いかと不安に思うかもしれませんが、続けられるように細かくやりすぎないことが肝心です。大まかな全体像を知るのが目的ですから、1万円単位くらいで考えれば十分なのです。

全部で300万円の金融資産を持っているAさんの資産でやってみると、こんな感じになりました。
1.MRFに50万円、銀行預金が100万円
2.公社債投信10万円
3.ミニ株時価合計で約50万円、日本株式投信約20万円
4.米ドルMMF40万円
5.米国株式に投資する投信10万円
6.「ゲームファンドときめきメモリアル」を約20万円

こうやってまとめてみると最初の質問にも大まかに答えることができます。
<質問> 10%円安になるとあなたの資産はどれだけ増えますか?
→4と5の合計金額を計算してみましょう(上記例なら50万円)。為替が今より10%円安になると、5万円(50万円の10%)資産が増える計算になります。

それ以外にも、市場の変動が自分の資産にどんな影響があるか知ることができます。例えば・・・
<質問> 日経平均が20%下落したらどうなるでしょうか?
→3の合計金額が70万円ですから、14万円(70万円の20%)程度資産が減ってしまう可能性があると予想できます。

簡単ですね。
もちろん個別銘柄の値動きの違いや、1つの市場の変動が他の市場に与える影響もありますから厳密な計算とは言えません。でもリスクを資産全体で大まかに見るシンプルな方法です。

自分の資産の現状認識ができたら次のステップは理想の資産配分を考えることになります。年齢やライフスタイル、資産状況などによって資産の配分の方法は変わってきます。次回以降、このお話もしていきたいと考えています。
資産運用というとすぐにどの株を買うと儲かるか、といった個別の話をする人が多いですが、それよりも先にすべき大切なことがあるのを知っておいてください。

(マネックス証券 資産設計部)

マネックスからのご留意事項

「資産設計への道」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧