2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)
投資信託についてまた友人と話をする機会がありました(ほぼ実話です)。
私:「個人投資家が少額から分散投資をするなら、投資信託がいいと思うよ」
友人:「いや、投資信託なんてオレはもう買わないね、ゼッタイ。」
私:「えっ、どうして?」
友人:「だって、昔買った投信は値段がどんどん下がって、日経平均よりリターンが低かったんだぜ。これじゃ何のためファンドマネージャーに手数料を払っているかわからないよ・・・。(以下投信への文句が続く)」
●アクティブファンドの80%は市場に勝てないが・・・
ファンドには大きく分けてアクティブファンドとインデックスファンドがあります。インデックスファンドは日経平均のような指標に連動した動きを目指すファンドで、ファンドマネージャーは指標への連動性を高めることが仕事になります。
アクティブファンドはそのインデックスを上回るリターンを日々の調査を通じて実現しようとするファンドです。投資家が運用成果に対し厳しい評価をするのは、このアクティブファンドになります。
日本ではアクティブ型の株式投信でインデックス(TOPIX)を上回るリターンを実現したファンドより下回ったファンドの方が多い、という結果がでています。また米国でも、チャールズ・エリスの「敗者のゲーム」(日本経済新聞社刊)によると、1996年には81%の米国株式投信がS&P500インデックスを下回る運用成績であったとしています。インデックスに勝つアクティブファンドは比率としては少ないのが現実です。
●問題はアクティブファンドの選び方
一方でフィデリティのマゼランファンドに代表される長期にわたってインデックスを上回る実績を持つアクティブファンドも存在します。
また、今後同業種であっても銘柄間の格差が広がれば、市場全体では下落しても、いわゆる勝ち組企業の株価は上昇するという2極化が進む可能性もあります。実際、1991年末から2001年末の10年間、東証1部上場銘柄1177銘柄の値動きの平均は−46%でした。しかし、うち136銘柄は、この期間も株価が上昇しております(フィデリティ投信調べ)。インデックスファンドだけではこのような相場には対応できません。
アクティブファンドのマネージャーは信用できないと決め付ける前に、信用できるファンドマネージャーを探すことが大切ではないでしょうか。インデックスとアクティブ、2つのファンドをバランス良く保有してはどうでしょうか。
●信用できるファンドを探すために
ファンドを選別するには、過去の実績、運用哲学など様々な要素で判断をすることになります。過去の実績といった数字で比較できる部分ももちろん大切ですが、数値化できない「定性的要素」−運用会社の運用哲学や運用チームの体制など−をどのように見るかも同様に重要です。過去の運用実績が良くても、一貫性のない運用をしていれば、長期的な成果を期待できないからです。また運用体制や人事評価が組織として機能していることや、個々のアナリストやファンドマネージャーの能力が高いことも重要です。とは言っても、実際にファンドを判断する材料を個人投資家が手にいれる機会は少ないのが現状です。
ちょっと宣伝になってしまいますが、ザ・ファンド@マネックスはファンド保有者を対象に8月30日 (金)に運用報告会を開催します。このようなファンドマネージャーや運用会社と顔を合わせる機会もファンドを評価する上で活用価値があると思います。またディスクローズを充実させ顔が見えるファンドを提供したいという運用会社の姿勢もファンド選定の材料にすることができるのではないでしょうか。
アクティブファンドは評価が難しいのも事実ですが、マネックスでは販売会社として個人投資家の方にできる限りの判断材料を提供していきたいと思っています。
今回の話をまとめましょう−−−−−
● アクティブ型のファンドはインデックスに勝てないファンドが多い
● しかし相場の2極化が起これば、アクティブファンドの出番がやってくる● 情報を集め、信用できるアクティブファンドを探そう
では、また来週。
(マネックス証券 資産設計部 内藤 忍)
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