信用取引 − 始めるならしっかり勉強してから

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

信用取引 − 始めるならしっかり勉強してから

マネックス証券でも12月から信用取引を開始することになりました。1日から信用口座開設の受付も開始し、たくさんのお客様からお申込みをいただいています。

マネックスは今まで信用取引に慎重な考え方を取ってきましたが、お客様アンケートで4割近い方が信用取引に興味を持っているという結果が出ました。大変お待たせいたしましたが、12月2日から取引を開始いたします。

最後発でサービス開始をするのですから信用取引の初心者の方にも安心してご利用いただけるよう、工夫をしました。また手数料や印紙代についてもキャンペーン中は特典をご用意しました。

今回は信用取引をはじめようと思っているが何となく不安に思っている方のために信用取引の説明をしたいと思います。

● 信用取引は怖い取引なのか
信用取引というとリスクが高い、怖い、というイメージを持つ人がいるようですが、通常の株取引と何が違うのでしょうか。

信用取引には通常の株取引とは違う2つの機能があります。1つはレバレッジ(テコ)機能、もう一つは売りから入ることができることです。

● レバレッジ機能とは?
レバレッジとは少ない資金で大きな取引をすることができるということです。信用取引では保証金や保有している株券等を担保に自分の保有資産より大きな金額で取引ができます。少ない資金で大きな利益を得る可能性がある反面、相場が見通しと逆の方向になった場合、持っている金額以上の損が発生してしまいます。これが「信用取引が怖い」と言われる理由です。

● 売りから入る場合
次に信用取引の2つめの機能、売りから入る場合です。この場合、通常の株取引と変動幅は同じです。株式を100円で買って200円になれば100円利益になるのと同様、信用取引で200円で売って100円で買い戻せば100円の利益になります。(手数料等は考慮せず)

ただし注意しなければいけないのは、株式を買って値下がりしても損失は買った値段ですが、売りから始めるとその損失は理論的には無限大になるということです。上記の例で言えば、100円で買った株は0円以下には下がりませんが、200円で売った株は1000円、1万円になる可能性もあるということです。

● リスクの管理が通常の取引以上に重要
2つの機能の説明からおわかりのように信用取引では最悪の場合の損失が通常の株式売買より大きくなる可能性があります。リスク管理をしっかり行うことが必要です。マネックス証券ではストップロス注文がご利用いただける予定です。これは新規の注文の際にお客様に一定の比率(%)の損失が発生した場合、自動的に取引を終了させる注文を同時に入力する機能です。

ストップロス注文に限らず、ズルズルと損失が拡大していって大きな損失になってしまう事態を避けるため、損失を一定の範囲に抑えられる管理方法を考えましょう。

● これからはじめてみたい、という人はまず勉強
今まで株式取引はしているが信用取引はやったことがない、という方にマネックスは信用コンテンツと勉強会でサポートします。とにかく信用取引はしっかりと知識を身に付けてから始めることが肝心です。信用コンテンツはこちらでご覧いただけます。
http://www.monex.co.jp/visitor/howto/shinyo/index.html

信用取引勉強会は9月に2回開催しましたが、多数のお客様から追加の開催要請をいただいております。NPO証券学習協会の協力を得て10月以降も追加開催を決定いたしました。メンバーの方はログイン後のメンバートップ画面からお申込いただけます。日程をご確認ください。

● 株式未経験者はまずはミニ株や現物取引から
投資信託を中心に取引を行っているお客様や株式をこれから始めようという方はいきなり信用取引を始めるのではなく、株式投資で経験を積まれてから始めてはいかがでしょうか。

運転免許を取ったらまずは家の近所で練習→高速道路デビューするように、投資も、預貯金→投資信託→ミニ株→株式→信用取引とステップを踏んで進んでいきましょう。

今回の話のまとめ−−−−−
信用取引の特徴はレバレッジ(テコ)と売りから入れること
株式取引経験者でも信用取引開始には正しい知識とリスクの管理が必要
株式未経験者はまずはミニ株や現物取引からはじめよう

ではまた来週・・・。

(マネックス証券 資産設計部 内藤 忍)

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商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

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