きちんと説明します、貸株サービス

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

きちんと説明します、貸株サービス

2003年の1月15日から貸株サービスを開始します。これはマネックス証券がお客様の株券を取りまとめて貸出しを行い、株式の残高に対して決められた金利をお支払いするサービスです。

貸株サービスをお申込(WEB画面から簡単にお申込できます)になると、自動的にお客様からマネックスに株券が貸し出され、それらをまとめて信頼度の高い他の金融機関に貸し出しされたり、マネックスでの信用取引のために使用されます。

この貸株サービス、日本で初めてのサービスであり、よくわからないという人も多いようです。例えば・・・

1.貸株サービスを使うと保有株が自由に売買できなくなる?
2.貸株サービスはリスクの高い商品である?
3.貸株サービスでは一部の特定の株式しか金利がつかない?

こんなよく質問される間違えやすいポイントを説明します。

●貸株サービスを使っても保有株が自由に売買できる
貸株サービスをご利用いただいても株式の売買に制約がなく、これまでとまったく変わらず売買可能です。しかも最初にお申込をいただくだけで、その後購入された株式も貸株サービスの対象になります。貸株金利も自動計算され前受金に支払われるので手間がかかりません。

●貸株サービスのリスク = マネックスの信用リスク
貸株サービスご利用のため締結していただく消費貸借契約は無担保の契約であり、お客様は株式の借り手となるマネックスの信用リスクを負うことになります。したがって貸株契約期間中にマネックスが倒産した場合には、お客様はマネックスに対して返還請求権を有する一般債権者となります。また、投資者保護基金による保護対象にはなりません。

では貸株サービスはリスクが高いのでしょうか。それに対する回答はマネックスの信用リスクをお客様がどのように判断するか、によります。

マネックスは東証マザーズに上場し、自己資本規制比率は742%(2002年9月末現在)。現在もソニー(株)が筆頭株主となっています。マネックス証券では徹底したディスクローズを行っていますので会社の経営状況についてはホームページでも確認できます。

また貸株サービスを途中でやめたくなった場合、簡単な手続きで解除できます。『株券貸借取引の解除依頼書』をマネックス証券宛ご提出いただくだけです。
●貸株サービスでは運用益を銘柄に関係なく平等に分配
貸株市場においては、お客様からお借りした株式すべてが運用できるわけではありません。しかし貸株サービスでは運用できた株式だけに金利を払うのではなく、運用益を貸株サービスの対象となっているお客様全員の株式保有残高に応じて分配します。したがって、保有している株によって貸株金利が変わるということはありません。

もちろん上場投信(ETF)や不動産投資信託(J−REIT)も貸株サービスの対象になります。

●株主優待目的の株をもっている場合は待った方が良い
貸株サービスでは、株主優待と議決権は受け取れなくなりますので、注意が必要です。ただし株式分割や新株引受権、新株予約権の権利は調整が行われます。
株主優待目的で保有している株式があるので、貸株サービスをご利用にならないというお客様が多いようです。マネックスでは銘柄選択機能を来年の3月を目処に導入予定です。これによって自分の希望する株式だけが貸株サービスの対象になるといったことが可能になります。もう少し待ってください。

●どうせやるなら、早く申込むかセゾンカードで金利上乗せ
12月13日までのお申込なら2003年3月までの金利を0.2%上乗せして0.4%とするキャンペーンも行っています。またセゾンカードの会員であれば、0.3%金利を上乗せし、0.5%となります。セゾンカードを持っている場合、口座管理画面からセゾンカード会員申請入力をしておきましょう。
新しい金融商品が出たときは、自分できちんと商品内容を理解し、納得してから決断するように習慣つけましょう。金融機関の言うことを鵜呑みにしてだまされてはいけません。

今回の話のまとめ−−−−−
貸株サービスを使っても保有株は今まで通り自由に売買可能
貸株サービスではマネックスの信用リスクを検討する必要がある
新しい金融商品が出たときは、自分できちんと商品内容を理解・納得しよう
ではまた来週・・・。

(マネックス証券 資産設計部 内藤 忍)

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