2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)
来年の2月から個人向け変動金利国債が募集開始されます(発行日は3月10日)。マネックス証券でも販売を予定しており、準備を進めています。
この商品については11月15日の資産設計の道で商品紹介をしましたが、その後わかった情報も含めてもう一度少し詳しく説明してみたいと思います。
●どんな商品?
「個人向け変動金利国債」とは日本政府が個人だけに販売する債券です。国が保証する円建て債券ですから、信用リスク(国に対する)が唯一のリスクです。当面は安全性の高い商品といえるでしょう。財務省が作成したパンフレットにはこう書いてあります。
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日本国政府が責任を持って発行
半年ごとに実勢金利に応じて金利を変動させる「変動金利制」を採用
1万円でご購入いただけます
10年満期です
発行から1年経過すれば換金もできます
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● 「変動金利制」
債券は通常固定金利です。固定金利の場合、クーポンが発行するときに決まっており市場金利が上昇すると価格が下落してしまいます。しかし変動利付国債は金利が今後上昇すれば半年毎の利払いの金利も上昇するので将来の金利上昇リスクは限定されます。
● 課税?非課税?
前回のこのコーナーでは利子について非課税になる可能性が高いと書きましたが、現状正式には決まっていないようです。しかしこの問題は実はどちらでもあまり関係ありません。課税・非課税より、手取りで金利が何%になるか、が重要だからです。
●マネックスのお客様の反応
今週からマネックス証券に口座をお持ちのお客様にアンケートをお願いしています。これは販売金額の的確な予測をすることによって、できるだけ多くのお客様が希望金額を購入できる可能性を高めるのが目的です。アンケート開始からまだ4日しか経っていませんが、今までの結果はこうなっています。
Q1:変動金利国債を知っていますか?
よく知っている 17%
聞いたことがある 60%
知らない 23%
よく知っている、聞いたことがあるを合わせると80%近い方に認知されています。意外に知名度は高いようです。
Q2:変動金利国債を買いますか?
購入する 24%
購入しない 35%
わからない 41%
購入しない、という方が3分の1いる一方、わからないという方が40%以上です。購入を決断するにはまだ情報が足りない、ということでしょうか。
なお、購入金額は10万円から100万円の間という回答が多数でした。
アンケートは引続き行っています。ログイン後のメンバー画面からリンクされていますので、ご協力をお願いいたします。
●買うべきか買わざるべきか
1万円からの購入、1年経てば換金できる、変動金利による金利リスクの限定、などリスクは小さく、変動金利国債は預貯金の代替商品として資産に組入れることができる商品性があります。
ただし、利子(クーポン)の決定方法、初回のクーポンなどまだ決まっていない部分もあり、これらが正式に決まった時点で最終的に購入の判断をするのが良いと思います。
初回発行分は2003年の2月3日から募集開始の予定です。募集枠が限られることになると思いますので、どうしても買いたい、という方は2月3日以降なるべく早めに申込みをしましょう。発行は年に4回される予定ですので定期的に購入することも考えられます。
利子の水準によっては魅力のある商品と言えますが、一方で、国債は国の借金であることも忘れてはいけません。日本国政府には「国債を責任を持って発行する」だけでなく、国の財政状態にも責任を持ってもらいたいものです。
なおMRFの運用報告書、取引残高報告書に財務省が作成した「個人向け国債パンフレット」を同封する予定です。こちらのパンフレットもご覧ください。
今回の話のまとめ−−−−−
個人向け変動金利国債のリスクは限定されている
利子の水準を他の商品と比較してから購入するかどうか判断しよう
個人が国債を買うこと=国の借金を国民が支えること、を認識しよう
ではまた来週・・・。
(マネックス証券 資産設計部 内藤 忍)
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