なぜ、マネックス証券ではまだ個人向け国債を販売しているの?

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

なぜ、マネックス証券ではまだ個人向け国債を販売しているの?

郵便局では2月3日の初日に数時間で完売。他の証券会社でも販売を終了した「個人向け国債」ですが、マネックス証券ではまだ販売を続けています。まったく同じ商品を販売しているのに、どうしてそのような違いが出るのでしょうか?

●販売金額の割当方法はこうなっている
今回の第一回個人向け国債は郵便局は500億円、銀行・証券会社で合わせて3300億円の販売枠となっています。3300億円に関しては事前に販売枠の希望を各社が出し、その希望額の比率に応じて割当販売額が決定しました。
販売額を希望通り確保するためには
1.お客様の需要を事前に予測する
2.他社の販売枠希望がどの程度あるのかを予測する
の2つを正確に行い、希望額を提出する必要がありました。

今回の場合、割当倍率は0.11(割当金額/希望金額)となりました。つまり10億円の販売枠希望を出すと約1億円、100億円の販売枠希望を出すと約11億円の割当になるということです。

この予測が各社で異なったことで販売状況に差が出たというのが売り切れている金融機関と販売を行っているマネックスのような金融機関が出てくることになったのです。

●お客様からのご意見
マネックス証券では12月と1月の2回にわたりメンバーの方にアンケートをお願いし、需要の予測を行いました。回答いただいた方の約7割が購入する、残りの3割の方が購入しない、平均購入予定額は約50万円という結果でした。
メールなどでお客様から寄せられた個人向け国債についてのご意見には次のようなものがありました。

<個人向け国債を買う理由>
・少額で購入できて、利息に関しては金利情勢を見れば悪い条件ではない・中途解約もできるのでとりあえず買う
・変動金利は金利上昇局面では魅力的
・積立預金などは国債にスイッチする
・マネックスメール増刊号(2月1日発行)を読んで

<個人向け国債を買わない理由>
・これ以上日本の財政赤字が増えるのは困る
・国を信用していない
・あまり自分にあった商品とは思えない
・しばらく様子を見たい
・利率が低すぎる

金利水準に対しての見方、国の信用についての見方が人によって異なるのがよくわかります。

●販売金額は多いほうが良いですが・・・
正直に言えば、証券会社の立場からは販売金額を少しでも多く、というのが本音です。しかし無理に販売を行っても売れるものではないとも思っています。正確でわかりやすい情報を多くの方に提供し、納得できる方に購入をしてもらうのが「商売の観点」からも一番良いと考えています。

そのためにマネックスメールやホームページで情報提供を続けていく予定です。商品としての国債の説明はホームページで行っていますので検討されている方はこちらをまずはご覧ください。
http://www2.monex.co.jp/j/kokusai/gaiyo1.html

●買う人も買わない人も国の財政に興味を持とう
国債の保有者は国に対する債権者です。社債などでは発行体の財務状態・信用力などを調べた上で購入の判断を行います。国債も同様の調査をしてから判断すべきです。

国債を買わないという人も日本で生活している限り、間接的に影響を受けることになります。国の財政状態をチェックすることは税金など自分の生活に影響することです。

「個人向け国債」を購入する、しないに限らず国の財政状態は本来国民が知っておく必要のあることです。日本人の国債保有比率が低いというのは、預貯金を通じて間接的に国債が保有されていたから。実際には預貯金、年金などとして投資されているわけです。今回の新しい国債は国の財政に対しての国民の関心を高めたという意義があります。

投資対象として、国の財政のあり方について、個人投資家の方が情報を収集し、冷静に考えるための材料を提供できる金融機関になれるようマネックス証券はこれからも様々な試みを行ってまいります。

今回の話のまとめ−−−−−
「個人向け国債」は割当金額が金融機関で異なる
購入するかどうかは考え方次第。情報収集の上、一人一人で判断する
買わないとしても国の財政に興味を持つことは大切

ではまた来週・・・。

(マネックス証券 資産設計部 内藤 忍)

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ご意見ご質問はメール件名「資産設計部」でfeedback@monex.co.jp 内藤宛でお送りください。

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