為替の疑問(3)為替取引にどの商品を選択すべきか

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

為替の疑問(3)為替取引にどの商品を選択すべきか

前回は為替と金利の関係について書きました。
為替レートが動かない場合でも金利による収益があるので高金利通貨が有利、つまり現状の円の低金利を考えれば、円高になっても為替の変動が一定の間にあれば外貨投資を行う価値があるという内容でした。

今回は実際に取引をする場合の商品選択を考えます。外貨投資の方法はいくつかの選択肢がありますが、マネックスの商品で考えればリスクが低い商品から外貨MMF→外国投信→マネックスFX(外貨為替取引、4月21日取引開始予定)の順になります。

● 小口の取引を開始するなら外貨MMFから
外貨運用というとまず思い浮かべるのは外貨預金でしょう。マネックス証券で外貨預金を取り扱っていないから言うわけではありませんが、1万円程度から投資をはじめる場合、外貨預金より外貨MMFをおすすめします。理由は2つ、為替手数料と流動性です。

外貨取引では買付のとき、売却のときの為替手数料が大きなコストになります。ドルの外貨預金では往復で2円の為替手数料というのが多いようです。一方米ドルMMFでは往復50銭(25銭の会社もあります)という証券会社も多く、単純に1ドル=100円とすると、2円と50銭では年間金利で1.5%の差と同じになります。

また外貨預金は普通預金にしておくと金利が低く、定期にすると満期まで持ちつづけることになり、為替の動きがあった時に機動的に動けなくなります。外貨MMFならばいつでも解約できますから、使い勝手に差があります。

なおマネックスでは米ドルMMFに加え、明日からユーロMMFも追加します。
● 外国投信には為替以外のリスクがある
外国投信は外貨建で海外の株式や債券に投資する商品です。外貨建なので為替のリスクは外貨MMFと同様に存在します。更に投資する商品によって株価や債券の価格変動のリスクが発生します。

マネックスでは安定して投信販売ランキング上位にあるバンガードの3本の外国投信(米ドル建)に加え、ユーロ建のフィデリティ・ヨーロピアン・グロース・ファンドの販売を明日から開始します。これは欧州の株式に投資を行うアクティブファンドです。実績については下記URLをご覧ください。
http://www.monex.co.jp/visitor/shohin/shinservice/index.html

外国投信も外貨MMF同様、為替手数料によってリターンに差が出ることに注意して商品選択を行う必要があります。

● マネックスFX(外貨為替取引、4月21日取引開始予定)
4月から取扱いを開始するのがマネックスFXです。これはマネックスにある前受金から為替の取引を行うことができるサービス。その最大の魅力はコストが低いことにあります。

マネックスFXでは為替手数料が10銭。外貨MMFの片道50銭と比べても5分の1のコストになります。また高金利通貨(通常円以外の外貨)の買いのポジションを作れば金利差分を受け取ることができますが、この金利差による収益は外貨MMFの分配率より高くなるのが通常です。つまり外貨預金はおろか、外貨MMFに比べてもコストが極めて低く効率的な取引と言えるのです。
さらにほぼ24時間取引ができること、条件付き注文など取引方法が豊富に用意されているなど、魅力の多い商品です。

商品の概要はこちらから。
http://www.monex.co.jp/visitor/shohin/monex_fx/index.html

● レバレッジとは?
マネックスFXでは例えばドルを買う場合、1万ドルあたり10万円の保証金で取引ができます。1万ドルといえば円換算で120万円ですから12分の1の現金があれば良いことになります。

少ない現金で取引できるということは逆にリスクが高くなっているということです。上記例では外貨MMFなどと比べ12倍の値動きになるということです。このように少ない金額で大きな取引ができることをレバレッジと言います。
● マネックスFXを使うべき人は?
マネックスFXは最低保証金がドルなら10万円。つまり120万円のドル投資をするのと同じリスクになります。いきなり120万円の外貨投資をはじめるのはそれなりの資産を保有している人に限定されます。

ですからこの商品は外貨投資をはじめる人が最初に検討する商品ではなく、外貨の投資をすでに100万円くらいはしている、という人に向いた商品といえます。

損失が発生したときのルールなど、外貨MMFなどとは異なる商品特性もありしっかりと商品内容を確認してから取引を行うべきです。マネックス証券ではマネックスFXを使った為替取引についての勉強会を4月に開催できるよう準備を進めています。予定が決まりましたらマネックスメールでもお知らせしていきますのでご参加ください。

また春のマネックス祭りでも「マネックスFX賞」を予定していますのでこちらもお楽しみに(応募は誰でも可能。商品は4月15日に発表予定です)。https://www2.monex.co.jp/j/spring_campaign/top.html

今回の話のまとめ−−−−−
外貨投資をこれからはじめる人は外貨預金より外貨MMF
外国投信には為替以外のリスクが付加される
外貨為替取引はコストが一番低いが、レバレッジによるリスクに注意

ではまた来週・・・。

(マネックス証券 資産設計部 内藤 忍)

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