「慣れるより習え」 − 勉強会のススメ

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

「慣れるより習え」 − 勉強会のススメ

恥ずかしい話ですが、週末にプールで水泳を始めて4年くらいになりますが、クロールでは25M泳ぐのがやっとでした。最近コナミスポーツの水泳教室に2回ほど出ただけで、泳ぎ方のちょっとしたコツをつかんだようで、すぐに50Mくらいまで泳げるようになって驚きました(今までの4年は何だったのでしょうか)。そんなわけで今回は勉強会のススメ、です。

● 個人投資家には学ぶ機会が提供されていない
水泳教室に行くように、受験生が塾に通うように、個人投資家も勉強会に参加すべきではないか、というのが私の意見です。自分はもうわかっている、と思っている人でも何となく理解していると思っていた知識の整理や思わぬ新しい知識の習得があると思うからです。

株式や投信の取引について日本の学校では何も教えてもらえません。売買をしている人は、自分で何となくやり方を覚えた人が大半だと思います。投資に関してもそんな「習うより慣れろ」ではなく「慣れるより習え」の時期が来ていると感じます。

● 金融は日々変化している
金融商品は日々新しいものが誕生しています。マネックスでも「為替取引」、「ロング・ショートモデル」、「ユーロMMF」など新商品新サービスが登場していますが、気が付いていない人もまだ多いようです。

また新しい商品を知っていても、それが果たしてリスクに見合ったリターンが得られるか疑問に思えるような商品もあります。さらに自分に合った投資対象を選択しなければ正しい投資ができません。

一方で過去の知識も技術の進歩や税制の変更などで陳腐化します。個別銘柄の選択もWEB上の銘柄スクリーニングなどで簡単にできるようになりました。ETFの登場によってインデックス運用の新しい方法が加わりました。銀行の振込み手数料体系も変化しています。知っていると思っていることでも常に最新の情報にアップデートが必要です。

● 良い勉強会を選ぶには
良い勉強会を選ぶためのチェックポイントを3つあげてみました。
・定期的に続いているもの
・事前の内容告知が明快なもの
・自分の目的に合っているもの
です。

定期的に続いているものは評判が良いから継続しているといえます。また、講師も何回も続けているうちに話の内容や資料が改善されていくのは、経験からも明らかです。

またどんな内容なのか説明が曖昧なものや、過去の実施について情報開示がわかりやすくされていないものも避けた方が良いでしょう。参加することで何が得られるのか事前にわからないと時間が無駄になってしまうかもしれないからです。どんなに良い内容でも自分の目的やレベルに合ったものでなければ参加の意味が薄れます。

● タダより高いものはない?
もう1つのチェックポイントとして参加費用を考えます。

例えば、同じ資産運用セミナーが2つの証券会社で開催されていて1つは無料、もう1つは有料だったとします。どちらに参加しますか?

5千円を超えるような高額な参加費なら別ですが、私は有料を選択します。その理由はお金の無駄より時間の無駄をしたくないからです。

有料で継続しているということはコストに見合う内容があるという意味。また有料の方が自分が本当に参加したいものを選択でき、真剣に参加するので密度の濃い時間にできます。また無料といってもどこかでコストがかかっているわけで、そのコストはいずれお客様全体が負担することになります。費用はサービスを受けた人が負担する方が納得できます。

いずれにしてもせっかくの時間と手間を無駄にしないようにしましょう。
● 勉強会で損をしないために
勉強会が終わった時に何か1つでも参加して得るものを見つけられれば、その勉強会への参加を有意義なものにできます。逆に言えば、参加する時は、終わるまでに何か1つでも得てみようという意気込みで参加しましょう。

春は気分を一新して新たなことを始めるのに最適な季節です。
今までの資産設計の見直しや新しい運用方法へのチャレンジに勉強会を活用することをおすすめします。

今回の話のまとめ−−−−−
資産設計も我流ではなく学ぶことで得るものがある
勉強会は内容がしっかりした自分に合ったもの選ぼう
お金の無駄より時間の無駄をしないように

ではまた来週・・・。

(マネックス証券 資産設計部 内藤 忍)

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