中国株 ファンドで投資をすべき理由

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

中国株 ファンドで投資をすべき理由

昨年12月20日のこのコラムで中国株を取り扱わない理由を書きました。http://www.monex.co.jp/visitor/shohin/joho/monex_mail/2002/20021220.htmlそしていよいよマネックス証券では明日から中国株ではなく中国株ファンドを販売開始します。「HSBCチャイナオープン」です。

今回はファンドの宣伝ではなく、ファンドを資産設計にどう使うか、を説明したいと思います。

● なぜ中国に投資するのか
中国株式はハイリターンの期待もあるが、ハイリスクでもあります。成長の期待が高く、可能性を秘めた地域であると同時に、政治リスク、経済リスクなどリスクも存在します。私が中国株式に投資を行った方が良いと思っているのは、ハイリスク・ハイリターンの投資をするため、ではなくグローバル株式投資の観点からです。

● グローバルな株式運用の資産配分
資産設計のポイントの1つは「分散」です。外国株式に投資をするとしてもどの地域にどの程度という「資産配分」が問題になります。通常時価総額(株価の価値の合計)の比率を参考にしながら投資を行うのが基本になります。例えば、現在であれば、米国60%、ユーロ30%、その他10%といった配分です。

しかし、資産配分を考える基準として現在よりも将来の見通しまで見越したほうが現実的かもしれません。例えば10年後の各地域のGDPの比率で資産配分する、としたら中国などのエマージングマーケットへの投資比率を上げることになるのではないでしょうか。

● なぜ株よりファンドなのか
日本の個人投資家が中国株の個別銘柄に投資を行い、まぐれではなく長期でリターンを上げるのはきわめて難しいと思います。中国語を流暢にあやつり、現地の政治経済の動向などスピーディに情報収集できるなら別ですが、日本語に翻訳された2次情報だけでは、素手で鉄砲に向かっていくようなものです。現地のプロフェッショナルが運用する投資信託を使うべきでしょう。

● なぜアクティブファンドなのか
市場には効率的な市場と非効率な市場の2つがあります。効率的市場とは市場の流動性が高く(売買量が多い)、情報の伝達がスムースに行われている市場です。NY株式市場などがこれにあたります。

一方、非効率な市場とは取引量が少なかったり、投資判断の材料となる企業情報などが短時間に伝わりにくい市場です。

効率的な市場では、自分が知っている情報は既に市場全体にシェアされていることが多いので、市場平均であるインデックスを上回るリターンを上げるのは困難です。一方、非効率な市場であればファンドマネージャーがリサーチを行い、市場平均を上回るリターンを上げる可能性が高まります。

中国株式市場はどうでしょうか。市場の効率性が他の市場に比べ低いと言われる中国株ではアクティブ運用によって市場平均を上回るリターンを実現できる可能性が高いと言えます。なので中国株ならアクティブファンド、ということになります。

もちろんアクティブファンドならどれでも良いわけではありません。中国株に投資するファンドの条件として、運用担当者の資質、運用体制、トラックレコード、の3つが重要だと思っています。

● 投資をしないという選択もある
「HSBC チャイナ オープン」の実績を見ても中国に投資をすれば必ず儲かるといったものではないことがおわかりいただけると思います。投資とはリスクを取り、その対価としてリターンを追求するものです。中国株の比較的高いリスクを取りたく無いなら投資をしない、という選択もあると思います。(もちろんリターンも得られません)

またどうせリスクを取るのであれば効率的に取るべきです。そのキーワードは「分散」と「コストを下げる」です。そして短期ではなく長期の運用資金で。他の投資と同様、月次積立を使った「時間の分散」もリスク分散に有効です。
今回の話のまとめ−−−−−
中国投資をグローバル投資の一部として考えよう
中国株投資は「優れた」アクティブファンドを使うのがベスト
リスクを取るなら効率的に行おう

ではまた来週・・・。

(マネックス証券 資産設計部 内藤 忍)

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