金利12%のユーロ建外貨預金で儲ける方法

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

金利12%のユーロ建外貨預金で儲ける方法

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その79 金利12%のユーロ建外貨預金で儲ける方法

7月24日の日経新聞に「外貨預金顧客争奪戦」というタイトルで大手銀行が外貨定期預金の取扱いを強化しているという記事が掲載されています。外貨運用に興味を持っている方は多いのではないでしょうか。

金利12%のユーロ建外貨預金、というのも紹介されています。他社の商品を取り上げるのは余り気が乗らないのですが、魅力的な金利にも見えますので、どの位儲かるのか実際に計算してみましょう。

●こんな商品です
金利12%といっても適用されるのは最初の1ヶ月です。利子に対して20%源泉課税されますので実質は年利9.6%となります。(為替差益に対する課税は考えず、計算してみます。)

そして為替手数料ですが、1ユーロあたり片道1円40銭、往復で2円80銭となっています。

また外貨預金は預金保険の対象外、やむをえず中途解約をするときは、解約日の当該通貨の普通預金金利を適用、という条件です。

●損益分岐計算は面倒だけど単純
取りあえず1ユーロ=137円の時に1000ユーロを1ヶ月預けた場合で計算してみます。

買う時の為替×元本 ≦ 売る時の為替×(元本+税引き後金利)
となれば少なくとも損はしないことになります。

市場レートが1ユーロ=137円の時にユーロを購入すると為替手数料
1円40銭を入れて138円40銭が購入レートになります。1000ユーロなら13万8400円が購入金額になります。

1000ユーロを1ヶ月12%で運用すると金利はどうなるでしょうか。1000ユーロ×12%×31日/365日=10.19ユーロ、20%税引き後(国税15%、地方税5%)では8.17ユーロです。

1000ユーロは1ヵ月後に1008.17ということになります。これが当初の購入金額である13万8400円より大きくなる為替レートを計算すれば損をしない為替レートが計算できます。

13万8400円÷1008.17=137.28 になりますが、為替の手数料1円40銭を考慮すると138.68が損をしないレートです。

つまり損をしないためには1円70銭の円安が必要ということです。為替手数料の影響が大きいことがおわかりいただけるでしょうか。

●1ヶ月定期を継続すると・・・
1ヶ月では短すぎると思う方もいるでしょうから、もう少し預ける期間を長くするとどうなるか見てみましょう。

残念ながらこの12%ユーロ定期ですが、2ヶ月目以降はキャンペーンの金利は適用されないようです。通常の1ヶ月〜1年のユーロの定期預金金利である0.3%台の金利になってしまいます。これでは最初の1ヶ月12%でも1年間の外貨定期を継続すると年間平均金利は1%台前半になってしまいます。
●ユーロMMFではどうなる?
マネックスのユーロMMFで同じ計算をするとどうなるでしょうか。7月23日現在の分配率は1.566%で、為替手数料は片道50銭(往復1円)です。分配率は毎日変動しますが仮に30日間分配率が変わらなかったとして同じ1ユーロ=137円のときに1000ユーロで投資をした時の損をしない為替レートはいくらになるでしょうか。(計算された方、メールで教えてください。)
●2年もの4%NZ外債では?
さて今度は2年間の運用になりますが、マネックスでは現在、NZドルの4%2年債を募集しています。為替の手数料は購入時70銭、償還時50銭です。口座管理料などはかかりません。こちらは購入時の為替レートを1NZドル=70円とした場合の損益分岐点計算をホームページに掲載しました。

http://www.monex.co.jp/visitor/shohin/saiken/gaisai/top.html

●外貨運用のリターンを決めるもの
外貨運用を決定する要素は、為替レート、金利、運用期間、そして為替手数料です。その中で外貨運用のポイントとなるのは金利ではなく為替手数料です。
外貨運用をしている方。保有している商品にかかる為替手数料を知っていますか?為替手数料を入れた損をしない為替レートを計算してみてください。
今回の話のまとめ−−−−−
外貨運用のポイントとなるのは金利ではなく為替手数料
金利は適用期間もチェックする
実際に手取りの金額を計算し、損をしない為替レートを計算してみる

ではまた来週・・・。

(マネックス証券 資産設計部 内藤 忍)

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