債券ベアファンドの使い方

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

債券ベアファンドの使い方

9月も勉強会が目白押しですが、東京での開催がほとんどです。
http://www.monex.co.jp/visitor/shohin/benkyo/index.html
27日には大阪に行く予定ですが、何とか日程をやりくりして東京、大阪以外でも開催したいと思っています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

債券ベアファンドの使い方

日本の長期金利が上昇しています。指標となる新発10年物国債が6月10日に0.46%まで低下してから反転し、8月27日には1.55%まで上昇しました。

マネックス証券で7月22日より販売を開始した「DKA債券ベアオープン」は日本の長期金利の上昇に対し概ね4倍程度の反対の動きを目標とする運用を行う投資信託です。

長期金利がこれからどうなるかについては様々な見方がありますが、今回はこのファンドについて説明したいと思います。

● 金利と債券価格の関係
念のため復習しておくと、金利が上がると債券の価格は下がります。最近の国債の金利上昇は国債の価格の下落が起こっているということです。債券ベアファンドは債券の価格が下がると上昇するファンドです。つまり、

長期金利上昇=長期債券価格下落=ベアファンド価格上昇

ということになります。もちろん長期金利が下がれば逆になります。

● 債券ベアファンドの仕組み
債券ベアファンドはファンドマネージャーの投資判断によって運用を行う商品ではなく、長期国債先物を使って市場との一定の連動比率を目標に運用を行うインデックス型の商品です。

「DKA債券ベアオープン」の場合債券先物の売り建て比率をファンドの純資産額の4倍程度になるように調整をして運用しています。先物での運用に必要な資金以外は長期金利変動の影響を受けない、政府短期証券やコールローンなどの短期の金融商品で運用します(金利はほとんど付きませんが)。

● 「4倍反対」の連動をしない場合
債券ベアファンドは長期金利の上昇局面では価格の上昇が期待できる商品です。現状長期金利が1%上昇すれば債券先物の価格は約7%下落します。4倍反対に動く債券ベアファンドは7%の4倍で28%の価格上昇が期待できます。しかし、実際には価格の動き方によっては期待したパフォーマンスが得られない場合があります。

次のような例が目論見書で取り上げられています。
長期債が▲2.5%→△1.02%→▲1.51%と変動するとき、4倍逆の動きをする債券ベアファンドは△10.0%→▲4.08%→△6.04%と変動します(完全連動)。しかし最初の価格が100とした場合、長期債価格は100から97に3%下がるのに対し、債券ベアファンドの上昇は
11.88%の上昇と4倍を下回るリターンになります。

逆に一方向に金利上昇する場合は長期債の「4倍反対」以上に上昇する場合があります。目論見書では長期債が3%下落したとき、債券ベアファンドが12.53%上昇する例が掲載されています。また長期債が3%上昇して債券ベアファンドの価格が下がるケースでも4倍の12%より小さい11.45%の下落に留まる例が掲載されています。

つまりファンドは一方向への上昇、下落の時はファンドの保有者は有利ですが、上下動を繰り返す相場の場合、債券ベアファンドの価格の動きが予想したリターンを下回るケースがあるということです。

● 目論見書をもう一度確認しておこう
金利が一方向に上昇するのであれば債券ベアファンドは有効な投資商品と言えますが、長期で保有すれば上下動にさらされる可能性が高くなります。金利上昇に備え短期的に活用するのが債券ベアファンドの上手な使い方です。

ファンドを購入する時は目論見書を理解するのが鉄則。「DKA債券ベアオープン」の目論見書はログイン後の「投信・債券取引」のトップにある「DKA債券ベアオープン販売開始〔買付案内〕」からPDFファイルでご覧いただけます。保有している人もこれから買おうという人も読んでみてください。
今回の話のまとめ−−−−−
債券ベアファンドは長期金利上昇時に有効な投資信託
「DKA債券ベアオープン」の場合、債券価格の「4倍反対」の動き
金利の動きによって期待される収益が上がらない場合もあるので使い方に注意
ではまた来週・・・。

(マネックス証券 資産設計部 内藤 忍)

※ファンドに関しての詳細は当社ホームページをご覧ください。
また投資信託をお申込みの際には、「目論見書」にて詳細をご確認下さい。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
資産設計への道へのご意見・ご質問はメール件名「資産設計部 内藤宛」でfeedback@monex.co.jp までお送りください。

マネックスからのご留意事項

「資産設計への道」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧