気持ちの良い長期投資

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

気持ちの良い長期投資

気持ちの良い長期投資

長期投資とは、株式投資であれば投資された資金が企業の価値の創造に使われ、それによってもたらされた利益を受取ることを目的にしている投資です。短期投資との大きな違いは全員の利益の合計がプラスになる可能性がある、ということです。
http://www.monex.co.jp/monex_blog/archives/004433.html

短期投資(トレーディング)では常にマーケットから離れず収益機会を狙うことが必要ですが、長期投資は逆ではないかと思っています。つまり投資をしているのを忘れることが重要ではないかと。それくらいでないと5年、10年といった期間続けることはできないのではないでしょうか。そのためにはストレスを感じない「気持ちの良い投資」がどうしたら実現できるかを考えましょう。
●気持ちが良くなるにはどうしたら良いか
結論から言うと、気持ちがよくなるためにはリスクを自分がストレスを感じない程度に抑えれば良いのです。どの程度のリスクならストレスを感じないか、つまりどこまでリスクを取れるかは、年齢、家族構成、リスクに対する考え方、投資期間、などで人それぞれです。

算数のテストのように正しい解答があるわけではありません。具体例を見ながら自分ならどうするかを考えていくのが一番の近道です。100万円を投資信託を使って長期投資しようとしているNさんの例で考えてみましょう。

●順番は資産配分→運用手法の選択→商品選択
長期投資は資産配分(アセットアロケーション)が最も重要です。それが決まれば、後はインデックスなのかアクティブなのか、運用手法を決めます。そしてそれぞれの運用方法の商品を選ぶことになります。

どの株を買うか、といった商品選択からはじめる人がいますが長期投資ではこれはやめましょう。順番がまったく逆だからです。

●まず資産配分
最初に考えるのはリスクによって資産を大まかに切り分けることです。為替のリスクの有無、株と債券という商品特性によってここでは単純に4つのカテゴリーで考えてみます。

Nさんは来年40歳、今は独身、ネット証券で働いているリスクを取ることにあまりストレスを感じない人です。そんなNさんが考える配分はこうです。
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      株式型  債券型
円建    40%  25%
外貨建   20%  15%
===============

株式型を国内外の合計で全体の60%、外貨建資産は合わせて全体の約3分の1ということになります。

●次に運用手法を考える
先週お話したように運用手法には市場平均に連動させるインデックス運用と市場平均を上回ることを目標にするアクティブ運用の2つがあります。
http://www.monex.co.jp/monex_blog/archives/004457.html
例えば円建株式型の35%の配分のうちインデックス運用を20%、アクティブ運用を15%といった具合に比率を考えます。

●最後に商品選択
ここまで決まってから最後に商品選択です。Nさんは自分の会社で販売している投資信託を中心に組み合わせて作ってみました。

円建株式型 40%
 インデックス 日経225ノーロードオープン        25万円 アクティブ  ザ・ファンド@マネックス           5万円 アクティブ  IBJITMジャパン・セレクション      5万円 アクティブ  フィデリティ・日本成長株・ファンド      5万円円建債券型 25%
 投資信託ではありませんが今なら個人向け国債        25万円外貨建株式型 20%
 インデックス トヨタアセット・バンガード海外株式ファンド 15万円 アクティブ  HSBCチャイナオープン           5万円外貨建債券型 15%
 ゴールドマン・サックス・米ドル・MMF          10万円 ゴールドマン・サックス・ユーロ・MMF           5万円
これで丁度100万円になります。投資信託なら1万円単位で配分を考えることができるので便利です。投信の特集画面もありますのでご覧下さい。http://www.monex.co.jp/visitor/tokushu/index.html

●株、債券以外にも・・・
株・債券に加え不動産も長期投資の対象として検討できます。Nさんは
REIT(不動産投資信託)も組入れたいのですが、投資最低金額が20万円以上なので今回の100万円の予算では組入れをしていません。

また長期投資資金とは別に急にお金が必要になったとき引き出せる資金も別に確保しておきましょう。

●まず自分の「気持ちよい長期投資」を具体的に考えてみよう。
年末は来年からの長期投資を始める良いチャンスです。ゆっくりと時間を取って自分の「気持ちよい長期投資」を考えてみましょう。そしてストレスのたまらない商品選択ができたら来年から実際にはじめてみましょう。なぜなら「リスクを取らないことがリスクになる」可能性があるのが資産設計だからです。
今回の話のまとめ---------
長期投資は気持ちの良く続けられることが大切
資産配分→運用手法の選択→商品選択、の順番を守ろう
リスクを取らないことがリスクになるのが資産設計の世界

ではまた来週・・・。

(マネックス証券 資産設計部 内藤 忍)

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