中国株 自分で銘柄選択やりますか?

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

中国株 自分で銘柄選択やりますか?

中国株については資産設計への道でも何回か取り上げています。
「中国株を取扱わない理由」(2002年12月20日)
「中国株 ファンドで投資をすべき理由」(2003年5月30日)
http://www.monex.co.jp/monex_blog/archives/cat_19.html

マネックスでは「HSBCチャイナオープン」を販売していますが、中国株は取り扱わないのでしょうか、という問い合わせが最近増えています。雑誌や新聞で中国株が取り上げら人気に拍車がかかっているようです。中国株ファンドではなく中国株を買いたいという人はまず下記の3つの質問に答えてみてください。

Q1:H株、レッドチップ、B株の違いはわかりますか?
Q2:中国企業で時価総額が最大の会社はどこか知っていますか?
Q3:中国株の情報を現地の1次情報から取得できますか?

どうでしょうか?すべての質問にYesという方はここから先は読む必要はありません。ご自身の判断で中国株投資を行ってください。答えられなかった方はここから先をじっくり読んでみてください。

● 中国株はなぜアクティブ運用なのか
アクティブ運用とは積極的に銘柄選択を行って市場平均より高いリターンを目指す運用です。自分で銘柄を選ぶ個別株式投資もアクティブ運用になります。
市場には効率的な市場と非効率な市場の2つがあります。非効率な市場は、流動性が低かったり、投資判断の材料となる企業情報などが短時間に伝わりにくい市場です。このような市場では銘柄をうまく見つけ出せば市場平均を上回るリターンを上げられる可能性が高まります。つまり銘柄選択がカギになる「アクティブ運用」で高いリターンを目指す意味があると言えます。

● アクティブ運用は勝ち組、負け組を明らかにする
もちろんアクティブ運用で全員が勝てるわけではありません。市場平均を上回る運用の勝ち組がいるということは、彼らに「カモ」にされる負け組が同時に存在するということです。果たしてあなたの銘柄選択能力はカモにする側でしょうか、それともされる側でしょうか。

日本の個人投資家が中国株式投資で勝ち組になれる可能性はあるのでしょうか。例えば中国で報道された現地ニュースをタイムラグ無く知ることができるか。日本語で得られる情報量は現地とどの位差があるのか・・・。現地で情報収集しているプロの運用会社、中国人個人投資家、と比べ投資判断で優位に立つ要素は果たしてあるのでしょうか?

中国株式投資を日本の個人投資家が行う場合、上記のようなハンディを考えると特別な知識を持たないで安易に投資をすると長期的にはカモにされる側になる可能性が高い、というのが私の意見です。だとすれば、特別な知識を持たない人はカモにする勝ち組に運用を任せる方が現実的ではないでしょうか。
つまり中国株式市場では自分でやるより運用能力に優れていると思われるファンドを使った投資が現実的だということです。

● 長期の運用を考えるならドル・コスト平均法
中国株式市場はこれからどうなるのかは誰にもわかりません。でも、もし今後も長期的には上昇する、という予想をするのであればどのような投資方法が良いのでしょうか。例えば一直線に右肩上がり、であれば出来るだけ早く投資をするのが一番良い選択になりますが、そのような予想をする人は少ないのではないでしょうか。

長期的には上昇するがその間には大きな変動を伴う、と予想するのであれば積立による投資がベストと考えます。毎月決まった金額を投資することでドル・コスト平均法による時間の分散が実現します。

● 自分で銘柄選択やりますか?
現物株式が良いか、投資信託を使った投資が良いかには専門家でも意見は分かれます。ファンドを買うより自分で中国を代表する企業を数銘柄まとめて投資しておいた方が簡単だ、というファイナンシャルプランナーの方もいらっしゃいます。

もちろん中国株式市場全体が上昇している時であれば、どちらでも大差は無いのかもしれません。ただし考えておくべきなのは何かあった時です。資産設計で重要なのは平常時ではなく危機にどう備えておくか、です。自分にとって最悪の事態に備えられる運用方法を選択しましょう。

自分で銘柄選択やりますか?もう一度考えてみてください。

今回の話のまとめ---------
中国株はアクティブ運用で
アクティブ運用するなら勝ち組にならないと意味が無い
投資商品の選択と共に投資タイミングも考えよう

ではまた来週・・・。

(マネックス証券 資産設計部 内藤 忍)

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