2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)
マネックスメールは前半が相場概況、後半が資産設計情報、そしてコラムという構成になっています。
丁度1年前のマネックスメール(6月11日)の相場概況を見ると株と為替はこうなっていました。
日経平均 8890.30(△101.21)
為替(17時) 117.87円
http://www.monex.co.jp/monex_blog/archives/003711.html
同じ指標が昨日のマネックスメールはこうなりました。
日経平均 11575.97 (△126.23)
為替(17時) 110.20円/米ドル
円高と株高ですから、もし1年前に戻れたら日本株を買いまくれば資産は30%殖えた事になります。でも実際にそんなことを1年前に実行できた人はいないでしょう。
資産設計の難しいところは取ってはいけないリスクを取っても、運用成果が上がれば結果論として良かったのではないかということになりがちなことです。しかしこれは正しい結論とは言えません。今回はこの1年間のどうしたら良かったのか確認してみたいと思います。
●インデックスのデータなら1年で△14.1%
またまた投信会社の方にデータのご協力をいただき計算してみました。昨年の5月から今年の5月末までの主要なインデックスのリターンはこうなります。
日本債券▲2.7%
日本株式△36.1%
海外債券▲4.7%
海外株式△10.1%
短期金利±0.0%
4月9日16日のこのコーナーで「サボテン投資法」をご紹介しました。http://www.monex.co.jp/monex_blog/archives/004798.html
ここで使った資産配分は
日本株 35%
日本債券 15%
外国株 25%
外国債券 15%
その他 10%
でした。先ほどのインデックスのデータで計算するとこの資産配分なら1年間のリターンは△14.1%になります。かなり良い成績と言えるでしょう。
しかしこの数字はインデックスであって実際に運用できるリターンではありません。個人投資家が実際に運用できる商品で具体的に数字を計算してみることが必要です。
●10万円ではじめると
10万円で資産を分けて投資したらどうなっていたかを概算で見てみましょう。マネックスで販売している商品でポートフォリオを作ってみるとこうなります。個人向け国債が1万円単位でしか購入できないので外国株を20%(2万円)にして、日本債券を20%(2万円)にしました。こんな配分です。
短期資産 MRF 1万円
日本債券 個人向け国債 2万円(1万円単位なので)
日本株 日経225ノーロードオープン 3万5千円
海外債券 米ドルMMF 1万5千円
海外株式 トヨタアセット・バンガード海外株式ファンド 2万円
●10万円でも△14%のリターン
1年間の騰落率を概算で計算してみるとこうなります。
短期資産 MRFの分配率は0.1%未満なのでゼロとします
日本債券 第3回個人向け国債を買えば平均で0.3%くらい
日本株 日経225ノーロードオープンは5月末時点で1年間の上昇率は33.3%
海外債券 米ドルMMFの分配率は年間で0.6%程度。為替が6%の円高とすると、年間で約▲5.5%
海外株式 トヨタアセット・バンガード海外株式ファンドの昨年の6月27日から昨日(基準価額10,942円)までの上昇が約9.5%
この数字で加重平均するとこちらも△14.1%になります。税金や解約時のコストなどを考えても長期の資産設計には充分すぎる成果です。
●1年後に後悔しないためには
これから1年後に同じ計算をしてみたらどうなるでしょうか。株高円高という過去1年とは違った展開になっているかもしれません。
結果がどうなっても実際に投資をしなければその結果を享受することはできません。いつかは投資をはじめようと思っているのに、心の準備ができてから、お金が貯まってから・・・自分に言い訳をしていませんか。まずは10万円で実際にはじめてみてはどうでしょう。
個人向け国債も含め上記の10万円のサボテン投資法で使った商品は今ならすべて投資可能です。
今回の話のまとめ---------
●過去1年では円高・株高であった
●10万円ではじめても14%程度のリターンにはなった
●投資は結果論であるが実際に投資しないとリターンも得られない
ではまた来週・・・。
(マネックス証券 資産設計部 内藤 忍)
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