読者の方からの質問に回答 10万円からの投資でリバランスできるのか?

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

読者の方からの質問に回答 10万円からの投資でリバランスできるのか?

コラムについて読者の方から毎回ご意見をいただきます。反応が無い週は「ウケなかったかな?」と不安になったりします。最近ご意見が多かった「サボテン投資法」を今回は取り上げたいと思います。

<読者の方からの質問>
サボテン投資法について。アセット毎に分散して定期的に見直しして、元の比率の構成にしていく方法はユニ−クでたいへんおもしろいと思います。しかし10万円での投資具体例ではじめる場合、現実的にどうやって元の構成比に出来るのでしょうか。

<内藤忍からの回答>
投資を今までやったことが無いし、これからもあまり時間をかけたくない、という人のために「サボテン投資法」を提案しました。
http://www.monex.co.jp/monex_blog/archives/004798.html
http://www.monex.co.jp/monex_blog/archives/004821.html

その応用として10万円ではじめる具体的な方法も書いてみました。
http://www.monex.co.jp/monex_blog/archives/004989.html

10万円ではじめた場合、その後のリバランスはどうするか、というのがご質問の趣旨と思います。

●10万円だけでリバランスは難しい
リバランスとは最初の資産の配分比率に比べ値上がりしたものは比率が高まり、値下がりしたものは比率が下がっている、これを調整することです。同じ配分比率を維持するために上がったものを売り、下がったものを買う調整をしていくことになります。

例えば10万円のうち30%の配分資産でも3万円ですから、それが投資してから10%値上がりしたとしても3千円です。比率調整のために数千円の売買を行うのは、投資信託が1万円からの買付になっていることからも現実的ではありません。

現実的な対応を考える必要があります。

●まず半年は様子を見る
私の考えを書いてみます。
まずは10万円で資産配分して運用を開始します。そして最初の半年くらいは資産の動きを見ているだけにします。どの位の動きがあるのかが感覚的につかめるように練習をします。

半年経って資産の時価評価を行い、自信がついたら次の段階に進みます。最初の10万円の元本に加え毎月例えば1万円づつ資金を追加していくのです。
例えば毎月1万円積立てと決めたら、その1万円を毎回細かく分けずに、当初想定した比率より一番低くなってしまった(つまり相対的にリターンが一番低かった)資産に投資するようにします。次の月も同じように判断して投資する商品を決めていきます。

●リバランスのタイミング
追加資金も合わせて資産がある程度の大きさになったら1年に1回程度のリバランスを検討します。

上記の例でいけば、10万円の元本ではじめて、毎月1万円づつ追加していくと1年経てば、投資金額で20万円を越えるようになります。この位の資産規模になれば1万円単位で資産のリバランスを行うことが現実的に可能になります。

リバランスは年に1回程度。あまりやりすぎると取引コストなどからリターンにマイナスの影響を与えることもあります。

●厳密にやり過ぎない、早くはじめる
追加の積立てにしてもリバランスにしても完璧にやろうと思い過ぎないことが重要です。

資産設計を真面目に考えている人ほど几帳面な人が多く、比率の調整など厳密にやらなければいけない、と思っています。しかしそもそも最初に決めた配分比率が絶対正しいわけではなく、柔軟に対応するスタンスで続けましょう。
厳密にやることよりも原則を守りながら、早く始めることが大事だと思います。なぜなら時間は待ってくれないからです。焦る必要はありませんが、どうせやるなら早くはじめた方が良いでしょう。

ご意見・ご質問歓迎します。

今回の話のまとめ---------
●10万円で厳密にリバランスをするのは難しい
●追加投資を行いながら調整していくのが最適な方法
●資産設計は「厳密にやり過ぎない&早くはじめること」が重要

ではまた来週・・・。

(マネックス証券 内藤 忍)

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