資産設計の「夢」のかなえ方

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

資産設計の「夢」のかなえ方

「一冊の手帳で夢は必ずかなう」という本が売れています。これは15年目標を作ってベンチャー企業を立ち上げた、熊谷さんという方が手帳を使って夢を実現する方法を書いたものです。著者のホームページはこちら。
http://www.kumagai.com/

この本で取り上げている夢はプライベート、仕事、教養、趣味、健康といった人生のすべての要素ですが、長期にお金を殖やす資産設計に関しても応用できるのではないか、と思います。なぜなら、

紙に書くことにより具現化
夢を具体的な数値にする
現実を客観的に認識する
夢と現実のギャップをどう埋めるか考える

という夢を実現するプロセスが資産設計のやるべき方法と同じだからです。どう応用できるか、についてエッセンスをお話しましょう。

●紙の書くことの意味
まず紙に書くことの重要性について考えてみましょう。書くことには2つのメリットがあります。一つは書いていく中で書いていることへの思いを深めることができること。もう一つは書いたものを意識的に繰り返し見ることでやる気を維持することができるということです。

資産設計の「夢」「現実」「そのギャップを埋める方法」を紙にまとめることには大きな意味があると思います。

●資産設計の夢
資産設計の夢とは一言で言えば「いつまでにいくら」ということになります。しかしお金を貯めることが目標ではなく、お金で何をしたいかという目標から「いつまでにいくら」を決める必要があります。いずれにしても資産を殖やしたい、お金持ちになりたい、という漠然とした夢を金額と達成までの期間の2つで具体化していくのが資産設計の夢になります。

●現実の認識
現実の認識の重要性も共通です。人間が自分自身を客観的に評価できないのと同じように、自分の資産がいくらあるか正確に知っている人は少ないものです。特に株式や外貨といった市場性の商品は価格変動がありますので買った時の値段ではなく時価で評価する必要があります。値下がりしたにも関わらず買った時の値段で資産を認識する不良債権隠しは個人投資家はやってはいけません。
●夢と現実のギャップをどう埋めるか
熊谷氏はファイロファックスという手帳ですべてを管理する方法を紹介していますが、手帳が無くても紙にまとめることは可能です。エクセルシートに目標を現状そしてギャップを書き、その横に1年後、2年後・・・と目標を記入できるような枠を作りそれをプリントアウトします。そのスペースに具体的な「夢」「現実」「そのギャップを埋める方法」を書けばよいのです。

そしてそれを毎日意識的に見るようにする。新しい目標や資産設計のアイディアが出たら追加・修正していく。やる気があれば今日からでもはじめられることです。

●6月末はスタートのチャンス
現状の認識を行うには正確な時価が必要です。証券会社から取引残高報告書が送られてくるのは年に4回あります。このタイミングではじめれば時価評価で自分の資産を評価することができます。

6月末はそんな区切りのタイミングとして最適なスタートラインです。来年になったら、と先延ばししなくても今日からはじめることは可能です。

●具体的にはじめるきっかけ
それでもまだ踏ん切りがつかない、という方は勉強会に参加することをおすすめします(7月22日と28日、先着順受付中)。
https://www.monex.co.jp/visitor/shohin/benkyo/index.html
2時間で資産設計の基本を画面を見ながら説明する予定です。好評であればビデオ・DVDの制作や、東京以外の会場でも開催していきたいと考えています。
●長期で考えないと方向性を誤る
最後に熊谷氏が指摘していた大切なポイントをあげておきたいと思います。それは長期目標を立てることの重要性です。1年後のこともわからないのだから10年20年の予定を立てても意味がない、と思う人がいるかもしれません。しかし長期の目標を具体的にしっかり持つことによって毎年、毎月、毎週、毎日何をしていったら良いのかの方向性を持つことができます。

資産設計に当てはめれば、来週の日本株が上がるか下がるかはわからない。だからといって、長期の目標を持たなくて良いということにはならない、ということです。

1年の後半戦のスタートである今は資産設計をはじめるチャンスです。

今回の話のまとめ---------
●資産設計の「夢」「現実」「そのギャップを埋める方法」を紙にまとめよう●はじめていない人は6月末から早速はじめてみよう
●短期の目標の前に長期の目標をしっかり定めよう

ではまた来週・・・。

(マネックス証券 内藤 忍)

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