2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)
株、債券、投資信託、といった投資商品を組み合わせてリスクを取りながらリターンを狙う「資産設計の基本」の発展系として、今までに無かった投資商品、投資対象の可能性が広がっています。今回はそんな新しい投資対象となる可能性があるものを紹介してみたいと思います。
●コンテンツの証券化
1年前のこのコラムで伝統的運用とは異なる投資として「オルタナティブ・インベストメント」を紹介しました。
http://www.monex.co.jp/monex_blog/archives/003806.html
日本語で「代替投資」と言われるこの分野でも新しい動きが出てきています。特に目立っているのがコンテンツの証券化と言われる商品です。マネックス証券が4年前に募集した「ゲームファンドときめきメモリアル」をきっかけに雑技団、ラーメン、アイドル、アニメ、と様々なコンテンツが証券化されて個人投資家に販売されています。しかしその投資成果は必ずしも芳しくないのが実情です。「ゲームファンドときめきメモリアル」にしても償還金額は投資額を上回りましたが、もっと大きなリターンを期待された方も多かったのではないでしょうか(私もその一人です)。
「ゲームファンドときめきメモリアル」
http://www.monex.co.jp/visitor/monex/company/enkaku/game_fund/index.html
今後も新しいコンテンツの証券化が出てくると思いますが、玉石混交の中で、「玉」を見つける目利きが重要になります。
●中国の次にくる投資対象国は?
中国株式に投資するファンドはコンスタントに残高を積上げています。マネックス証券で販売しているHSBCチャイナオープンも販売ランキングトップを毎週日経225ノーロードオープンと争っています。
http://www.monex.co.jp/visitor/sodan/otoku/china.html
そんな中国に続く投資対象として注目されているのがインドです。ゴールドマン・サックスが使いはじめたBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字)という4カ国の中でも人口、IT産業への傾斜、英語が通じる、と言った点でインドは有望な投資先として期待されています。
インド株投資は従来外国人にはハードルの高いものでした。キャピタルゲインに対する課税が30%と高く、投資のリターンを還元することが難しかったからです。しかしこの税金の問題が解決されてくれば、投資対象国としての魅力が高まり外国資金の流入も予想できます。
●企業再生、不動産・・・
国内でも特定の目的で投資を行うファンドが設立されています。例えばプライベートエクイティファンドと呼ばれる未公開株式に投資し、株式公開や第三者に売却してリターンを狙うファンドがあります。また企業再生ファンドのような過剰債務に陥った企業の立て直しを目的としたものも増えてきました。
従来このような投資は機関投資家にしか投資機会がなかったものですが、今後個人投資家にも投資機会が提供される可能性があると思います。
●投資判断ができるよう不断の勉強を
これらの投資は新しい投資対象ということでリターンも期待できますが、従来の商品とは異なるリスクが存在することになります。同じ種類の商品であってもどの商品を選ぶかが今まで以上に重要になります。
投資の判断はファンドの運用責任者が目利きをして良い案件、良い銘柄を選び出すわけですから、目利きをする人の判断能力が投資結果の多くを決めるということになります。
過去の実績が最も重要な投資判断材料になることから、投資判断をするためのディスクローズが投資の最低条件になります。同時にそれを評価する判断基準をしっかり持つことが個人投資家にも求められます。
資産設計を続けるためには不断の勉強が必要であることだけは間違えありません。投資は何となくやってみて儲かるほど甘くはないのです。
今回の話のまとめ---------
●個人投資家向けの新しい投資商品が今後も登場する
●新しい商品が必ずしも儲かる訳ではない
●資産設計を続けるためには不断の勉強が必要
ではまた来週・・・。
(マネックス証券 内藤 忍)
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