2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)
個人投資家に銘柄選択は可能かというコラムを一昨年2回に渡り掲載しました。http://www.monex.co.jp/monex_blog/archives/004138.html
http://www.monex.co.jp/monex_blog/archives/004163.html
これは1年前にマネックス証券で勉強会を開催していただいたバリューサーチ投資顧問(当時はオリックス投信投資顧問)の手法を説明したものです。http://www.value-search.co.jp/
この手法は拙書「資産設計塾」でも214ページから詳細に説明していますが、PER、PBR、配当利回りといった公表されている企業データから相対的に割安な銘柄を選択し、業種を分散させて投資を行っていこうというものです。いわゆるバリュー投資です。
勉強会においてその時点での分析結果を使った参考銘柄リストを作成しましたが、その後の株価を計算すると市場平均を上回る良好な結果が出ていることが確認できます。つまりアクティブ運用として「有効である」という過去の実績です。
●グロースとバリュー
株式は大きくグロース株とバリュー株に分類することができます。PERやPBRと言った指標が比較的低いものを選んで投資をするバリュー投資の書籍は最近いくつか発売されていますが、具体的プロセスまで踏み込んで書いた本はあまりありません。
銘柄の絞込み、あるいは業種分散をどこまでやるのか、PERとPBRのどちらを優先するのか・・・実際にやってみると様々な問題が発生するのです。
●日本の株式市場は非効率?
いずれにしてもバリュー株を選び出し、それによってインデックスを上回るリターンが実現できるということになれば、日本の株式市場の効率性が低いということになります。過去のデータではバリュー株の優位性が検証されており、非効率性が示されているわけですが、果たして本当でしょうか。
●自分のお金でやらないと学ばない
このコラムを読んでいる方が知りたいのは、「過去のデータによると」「1年前にやっていたら」といったことより、実際に運用したらどうなるのか?という実践を伴った理論ではないでしょうか。
「評論家」から「個人投資家」になるには自分のお金を使って実際に運用をする必要があると考えました。そこで一定のルールを決めて3月から自分のお金を実際に使って日本株の銘柄選択をしてみることにしました。
手法は勉強会で説明した方法と同じ、誰でも入手可能な定量的企業のデータを分析することで銘柄選択を行うバリュー投資です。
●証券会社関係者の制約
実は証券の関係者には株式の売買には厳しい社内ルールがあります。マネックスの場合、購入した株式は1ヶ月は売却できないのです。またそもそも信用取引は口座開設もできません。
したがって株式投資をする場合、銘柄分散して現物購入し、1ヶ月以上の保有によってリターンを狙うという投資方法になります。売りから入ることもできないし、短期的に売買でリターンを狙う方法もできません。
そんな運用で半年後、1年後にどんな結果がでるでしょうか。興味があります。
●TOPIXに勝てるのか
自分で銘柄を選ぶというアクティブ運用をするのであれば、インデックスに勝たなければ意味がありません。同じ期間のTOPIX(東証株価指数)を上回るリターンを目標に運用することになります。
運用を開始したら手数料などのコストも考慮したリターンを計算し、機会があればこのコラムやマネックスのBlogでも随時ご報告する予定です。
マネックスのBlog
http://www2.monex.co.jp/forum/archives/c_naitou/index.html
読者の方で株式のポートフォリオ運用を実践していらっしゃる方も多いと思います。どんな運用でどんな成果なのか、よろしければ教えてください。
今回の話のまとめ---------
●過去の勉強会ではバリュー投資に超過リターンがあるという結果であった●投資は自分のお金でやらないと学ばない
●PER、PBRといったマネックスのWebで取れるデータで3月から投資開始
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