忘れたくないが、知られたくないこと

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

忘れたくないが、知られたくないこと

フィッシング詐欺などのネット上での犯罪が増えるとネットでの取引にはセキュリティが重要であることを改めて感じます。ネットで証券や銀行のような金融取引をしたり個人情報のやり取りをする場合、セキュリティで一番問題になるのはログインする時のパスワードや暗証番号の管理ではないでしょうか。
私は暗証番号を昔から決まった特定の4桁の番号でずっと使っています。困るのはパスワードです。パスワードは桁数や使える文字の指定が会社によって違うので複数の種類を使い分けることになります。しかしよく使うものは暗記していますが時々しか使わないサイトの場合、忘れてしまうことがあって困ってしまいます。最近は誕生日のような知られやすい数字での登録は最近できないところも増えてきました。

かといって一覧表にしてまとめてしまっては人に知られてしまいます。何か良い方法はないか、と悩んでいるうちに、果たして他の人はどうやって管理しているのだろうか、と興味を持ち(個人で運営する)Blogで聞いてみたらたくさんのアイディアが集まりました。その中には役に立ちそうなものもありましたのでご紹介したいと思います。

●方法は大きく2つ
自分がアクセスできて他人にアクセスできない方法は2つしかありません。物理的にアクセスしにくくするか、忘れない方法で自分の頭の中に完全にインプットすることです。

物理的にアクセスしにくい方法としては、MSワードのようなドキュメントソフトにパスワードをかけて保存するというのがあります。管理すべきパスワードなどをテキストで一覧にまとめ、ファイル名をつけて保存するときのオプションとしてパスワードロックをかけておくという方法です。

ただしこの場合はファイルのパスワードを管理しなければなりません。これを忘れてしまうと大変なことになってしまいます。

もう1つの方法は新しいセキュリティ技術を使う方法です。指紋認証や手のひらの静脈認証といった最近出てきた技術を使えば自分しかアクセスできない管理ができるようになります。この方法の難点はまだ出たばかりの新しいものなのでコストがかかり今後の技術進歩が読めないということです。

●暗証番号の覚え方
物理的に対策を取るのではなく自分にしかわからない方法で自分の脳に覚え込ませるとなると記憶術の世界に入ります。

暗証番号を忘れないようにする方法は様々な方法を考えている人がいます。例えば「いい国作ろう鎌倉幕府」(1192年)のような歴史の年号を使っている人、自分の好きな会社の証券コードを使っている人、あるいはひっそりと思いを寄せる人の誕生日などという絶対に他人には知られない数字で設定しているという高度な管理方法もありました(別の人に思いを寄せるようになったときどうするかは聞いていません・・・)。

●パスワードのようなアルファベットの場合は
アルファベットになるとさらに厄介です。自分の住んでいる地名や実家の住所といった方法もありますが、覚え方を勘違いすると思い出せなくなってしまうことがあります。

私の場合、setagaya(世田谷)というパスワードにしたつもりがtaishido(太子堂)と勘違いしてしまい、ログインができなくなって焦った経験があります。
アルファベットの場合はそれ以外には家族の名前のイニシャルと合わせる、母親の旧姓を使うくらいしか思いつきません。しかしどの方法も完璧ではないのです(良い方法があったら是非教えてください)。

●覚える数を管理する
このコラムを読んでいるような人はネットバンク、ネット証券以外にもオンラインショッピングやYahooのようなポータルサイトなどたくさんのIDやパスワードを管理しなければならないケースが多いと思います。

完璧に管理するのが難しいとすれば、まずやるべき重要なことは管理する数を減らすことではないでしょうか。

銀行はメインとサブで2つ、証券もメインとサブで2つというようにシンプルにすれば、管理する手間が軽減できます。無駄な口座はセキュリティの観点からも早めにまとめてしまいましょう。

今回の話のまとめ---------
●暗証番号やパスワードの管理はセキュリティの最重要課題
●物理的にアクセスできなくするか自分の脳で確実に管理するしかない
●必要のない口座やIDの整理をまずははじめてみよう

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