2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)
マネックス・ビーンズ証券で販売しているHSBCのチャイナオープン、インドオープンは1万円からエマージングマーケット(発展途上国市場)に分散投資ができるファンドとして資産設計には欠くことのできない商品です。
実際に私も毎月1万円でそれぞれのファンドの月次積立サービスを利用しています。中長期的な株価の上昇が期待できるのであればこのような方法でドル・コスト平均法で資産を積上げるのがベストと思います。
しかしここで悩むのは中国とインドの投資比率はどの程度にするのが良いかということ、あるいは中国、インド以外のエマージングマーケット諸国には投資をしなくて良いのか、ということです。
また中国、インド以外にも例えばブラジル、ロシアなどいわゆるBRICs(ブリックス)の株式市場への投資も検討したいと思っています。しかしブラジルに投資するファンドを個人投資家が購入することは困難です。
●エマージングマーケットの可能性
世界銀行などのデータによれば、BRICs4ヶ国の世界人口に占める割合は42%、国土面積では38%にもなります。それにも関わらず、GDPは合計で世界の9%、株式時価総額では4%に過ぎません。
広大な国土と巨大な人口を持った国であり、経済成長により一人当たりの所得が増加すれば莫大なマーケットが生まれる可能性があるということです。資産の一部はこのような投資先に置いておくべきではないでしょうか。
●非効率市場はアクティブ運用が基本
BRICsの株式市場は非効率性が存在し、アクティブ運用によって市場平均を上回るリターンを確保できる可能性があります。しかしロシアやブラジルの株式を個別で選択できる日本人個人投資家は果たして何人いるのでしょうか。これらの市場では専門のファンドマネージャーに運用を任せる「人にやらせるアクティブ運用」が基本になるでしょう。
自分でやる、人にやらせる、市場に合わせる
http://www2.monex.co.jp/monex_blog/archives/004457.html
しかしそれぞれの国のファンドを自分で組み合わせる場合、各国への資産配分をどうするかは自分で決めなければなりません。これもプロに任せたいというのが私の希望です。
●エマージングマーケットのファンド・オブ・ファンズ
例えばインド、中国、ロシア、ブラジルという4本のファンドが別々にあって自分でアセットアロケーションを考えるよりも、1本のファンドで4ヶ国に分散投資するファンドの方が良いファンドではないでしょうか。
アセットアロケーションを自分でやらなければならないとしたら4つの国にどう分散するのが良いか自分で決めることは困難です。結局次善の策として比率を固定して投資するという方法が現実的になるでしょう。しかしこの方法はベストな方法とは思えません。
ファンド・オブ・ファンズにして比率もファンドマネージャーが決定することにすればプロのアセットアロケーションの能力を活用することができます。1万円で4ヶ国を組み入れられれば1万円で4ヶ国に分散投資できることになりさらに少額で分散投資効果が発揮されることになります。
BRICs4ヶ国にアクティブ運用で分散投資。国別の配分も銘柄の選択もプロのファンドマネージャーにお任せ。こんなエマージングファンド、あったら欲しい!と思いませんか。
今回の話のまとめ---------
●BRICsは自分の資産の一部を投資しておきたいマーケット
●非効率性の存在する市場なのでアクティブ運用が基本
●アセットアロケーションもアクティブにできれば魅力がさらに高まる
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