「アジア フォーカス」のチェックポイント

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

「アジア フォーカス」のチェックポイント

日本とアジアのヘッジファンドに分散投資をする「アジア フォーカス」ですが、6日の夕方から販売を開始しました。初日だけでも3億円近い販売と予想を大きく上回る金額が集まっています。サブ・アドバイザーを担当する会社としてMAI(マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ)社員もうれしい反面、身の引き締まる思いで見守っています。
http://www.monex.co.jp/AboutUs/0/guest/G800/new/news5071.htm

今週末は土曜日に大阪、日曜日に東京で計4回の説明会も開催いたします。私も出席しますが、販売会社であるマネックス・ビーンズ証券の松本社長、実際に日本のヘッジファンドの選定を担当するMAIの白木からも運用の手法について詳しくお話できると思いますのでご期待ください。
(説明会にお越しいただけない方、申し訳ございません。)

今回はこの「アジア フォーカス」のチェックポイントを押さえておきましょう。キーワードで説明していきます。

●特定日
「アジア フォーカス」には特定日というものが存在します。これは原則毎月25日になります。前月の20日までの申込をまとめて翌月の特定日に投資をするという仕組みになっています。つまり現時点であれば、今日申し込んでも、来週申し込んでも、7月20日の15時に資金がまとめられるということです。
●基準価額
「アジアF」という略号で日経新聞に本日から掲載されています。基準価額は毎日変動しますが、特定日買付という仕組みになっているため、基準価額を見ながら申込するタイミングを考えることにはあまり意味がありません。毎日の申込を毎日の基準価額で買い付ける通常の投資信託とは仕組みが異なることにご注意ください。また買付日が翌月になっていることもご確認ください。
●信託財産留保金
解約時には信託財産留保金0.5%がかかります。これは解約する投資家がファンドを保有している投資家に対して支払う「迷惑料」のようなものです。解約に伴い投資先からの資金の解約など取引にコストがかかることからその分を負担してもらうという公平性を保つための良心的な仕組みといえます。

●キャパシティ
ファンドの設定上限は500億円となっています。ヘッジファンドへの投資を行う場合にはキャパシティという要素を検討する必要があります。これは投資先のファンドの運用金額に制約があって、大量の資金を集めても投資する運用先のヘッジファンドが見つからないというリスクです。「アジア フォーカス」においても一定以上の資金が集まった場合は新規の募集を停止する可能性があります。

●目利きの力量
ヘッジファンド運用で良いファンドを見つけ、分散投資によって安定したリターンをあげるためには「目利きの力量」が極めて重要です。日本ヘッジファンドの選定を担当するMAIには白木、渋澤という2名のエキスパートを中心とする運用チームがあります。

運用部の責任者である白木はUFJグループで1990年代の後半からオルタナティブの投資先選定、ポートフォリオ管理等を担当しており、ヘッジファンド業界に幅広い人脈をもっています。ロンドン大学で金融学修士号を取得しファイナンス理論にも精通しているプロフェッショナルです。

MAI取締役の渋澤健はJPモルガン、ゴールドマン・サックスを経てムーア・キャピタル東京オフィスを立ち上げた経験を持ちます。ヘッジファンド業界で15年以上の経験を持ちます。ヘッジファンド草創期からの経験をもつ数少ない日本人ということができます。著書の「渋沢栄一とヘッジファンドにリスクマネジメントを学ぶ」にはジョージ・ソロスに携帯電話を貸したというエピソードが紹介されています。

●運用手法は?
ヘッジファンドの運用手法はマーケット・ニュートラル、ロング・ショート、アービトラージ、マクロ、など様々です。「アジア フォーカス」ではこれらの運用手法に対する資産配分(ストラテジー・アロケーション)も考えながら資産の分散を行います。販売用資料に解説がございます。
http://www.monex.co.jp/pdf/fund2/U660.pdf

●投資先はどんなところ?
投資先の国は選択するファンドの投資先によって変わってきますが、現状予定されているのは台湾、インド、タイ、マレーシア、フィリピン、日本、中国といった国々です。マーケットのアノマリー(情報の歪み)から収益機会が見込める投資対象が選ばれているのがわかります。

●購入するなら中長期で
このファンドは短期で大きな値上がり益を期待するような商品ではありません。中長期でジワジワとリターンを積み重ねていくような運用を目標にしています。そのためにファンド・オブ・ファンズというリスク分散型の投資を行うようにしているのです。定期預金に寝かせてある金利のほとんどつかない資産の一部をこのような資産に振り向けてもよいのではないでしょうか。

フォーラムにも書きましたが
http://www2.monex.co.jp/forum/archives/2005/07/post_76.html
自分が欲しいものを自分たちで作ろうというのがマネックス設立以来の理念です。結果は保証できませんが、今回もこの理念に沿った商品を作り上げることが出来たのではないかと自負しています。

私自身がいくら投資したか?・・残念ながらそれはこのメールでは書けません。
今回の話のまとめ---------
●ファンド・オブ・ファンズは「目利き次第」
●「アジア フォーカス」は中長期で運用するためのファンド
●商品の仕組みも理解してから投資の判断をしよう

マネックスからのご留意事項

「資産設計への道」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧