無料キャンペーンの賢い使い方

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

無料キャンペーンの賢い使い方

マネックス証券でセレクトファンド手数料実質無料キャンペーンが始まりました。これは35本の厳選されたファンドの販売手数料を期間限定で実質ゼロにして個人投資家の皆様のコストを引き下げようとするものです。

●キャンペーンの概要
キャンペーンはすでに始まっています。2005年12月30日(金)までに買付したセレクトファンドのお申込み手数料(販売手数料)を2006年1月下旬ごろキャッシュバック(お取引口座に入金)されるというものです。
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new/selectfund.htm
セレクトファンドの中には人気があるけれど通常は販売手数料のかかるフィデリティ・日本成長株・ファンド、HSBCチャイナオープン、HSBCインドオープンHSBC BRICsオープン、さらにはアジア フォーカスも含まれています。

例えば販売手数料が3.15%(税込み)のファンドなら100万円の購入で約3万円かかっていた手数料がキャッシュバックされるのですから、これは大きなインパクトがあります。

●キャンペーンで手数料は確実に下がる
金融機関のキャンペーンには気をつけろ、という例として投資信託と円定期預金のセット販売を1年前のコラムで取り上げました。
http://www2.monex.co.jp/monex_blog/archives/005243.html
金融機関からのオイシイ話には裏があることが多く本質的にリターンを向上させるものかを手取りで計算してみることが重要という話です。

しかし今回の無料キャンペーンは単純な割引であり、抱き合わせとは異なるものです。手数料は手取りで確実に下がるわけですから活用方法によっては資産設計に役立つものだと思います。

単純な手数料還元をマネックス証券が行うのは理由があります。マネックス証券から見れば、販売手数料が減っても、個人投資家の投信購入金額が増え、投資信託に対する認知が高まり、今後の顧客基盤の拡大につながれば宣伝コストとして充分ペイすると考えられるのでしょう。

オイシイ話があったら相手の意図・目的を考えることが金融機関にだまされないための方法です。

●ドルコスト平均法との関係
キャンペーンで手数料は下がりますが、注意が必要な点もあります。手数料が安いからといって一気に投資をするとドルコスト平均法の観点から問題が起きる可能性があるのです。

例えば毎月5万円づつHSBCインドオープンを積立している人が一気に1年分の60万円を12月に買い付けるという方法にすると手数料は3%節約できます。しかしもし1月以降に基準価額が3%以上下がったら手数料節約分は吹っ飛びます。
実際の結果は相場観次第ということになるのですが、キャンペーン期間中にまとめて購入するということは、一番安値を狙って投資をしようとする「タイミングを狙った投資」と同じことです。当たれば大きいですが、はずれると高値つかみになるリスクがあるのです。

これは日本株や外国株など投資のタイミングによってリターンが変わる商品の場合は避けられない現実です。

●時間の分散が必要ない商品にはチャンス
一方でアジアフォーカスのように投資のタイミングを考えてもあまり意味の無い商品の場合、今回の手数料キャンペーンは購入のタイミングとしてコストを下げる良い時期と言えるでしょう。アジアフォーカスは相場の方向性にかかわらず絶対的な収益を追求するという商品性からして、商品自体を評価するのであれば時間を分散することなく早く購入して長期投資した方が良いと考えられるからです。
https://www.monex.co.jp/FundGuide/00000000/guest/G3210/alternative/index.htm

アジアフォーカスだけは12月20日(午後14時59分)までの申込分(2006年1月25日約定分)がキャンペーン対象となりますので購入申込のタイミングについては注意が必要です。

※オルタナティブ投資について詳しく知りたい人はマネックス<オルタナティブ>メール(配信無料)をお申込ください。隔週で最新情報をお届けします。https://www.monex.co.jp/FundGuide/00000000/guest/G3210/alternative/mail.htm

●無料キャンペーンの賢い使い方
つまり今回のキャンペーンは商品によって使い分けが必要だということです。時間の分散が必要な商品は購入タイミングも考えながらお申込をするようにしてください。手数料を引き下げることばかりに気を取られて本来のあるべき投資ができないようにならない注意が必要です。

今回の話のまとめ---------
●金融機関のキャンペーンは手取り金額で考える
●ドルコスト平均法の観点から時間の分散が必要な商品もある
●タイミングを考えない商品は購入のチャンス

ではまた来週・・・。

マネックスからのご留意事項

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商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

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