こんな商品、あったら欲しい(3)

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

こんな商品、あったら欲しい(3)

 このコラムでも自分が欲しい金融商品というテーマで何回か書いてきました。その中には今では誰でも当たり前のように使っている商品もあれば、未だに実現していないものもあります。

こんな商品、あったら欲しい(1)(2)
http://www2.monex.co.jp/monex_blog/archives/003692.html
http://www2.monex.co.jp/monex_blog/archives/005365.html

 2年ぶりにまた今こんな商品が欲しい、という個人的な意見をまとめてみました。

■為替保証金取引の通貨拡大
 為替保証金取引といえばマネックスFXですが、現状取り扱い通貨ペアは8つだけです。メジャーな通貨はカバーされていますが、例えば人民元、トルコリラ、南アフリカランドといったマイナーな通貨はありません。

 これらの通貨は流動性も低く変動率が高くハイリスクです。しかしポジションをコントロールすることでリスクを抑えた上で組み入れてみたい通貨です。外国為替専門会社の中には取り扱いをしているところもあるようですが、新たに口座開設する手間がかかりますし、知らない会社の場合、信用力などにも不安が残ります。マネックスFXでマイナー通貨ペアの取り扱いを開始すれば問題は一気に解決します。

■グローバルに投資する外貨建て分散投資ヘッジファンド
 オルタナティブ投資、その中でもヘッジファンドへの投資は資産の一部を振り向けるべきと思います。アジア・フォーカスやチャイナ・フォーカスは実績をあげていますが、米国、ユーロ地域を投資対象とする商品はありません。

 グローバルなヘッジファンドに投資を行うファンド・オブ・ファンズ
(FOF)に投資をしたいと思います。FOFはコスト面では割高になりますが、目利きの能力によって期待リターンの大きなファンドにできれば投資対象として検討できます。もちろん国内公募投信で為替ヘッジなし、が前提です。
■海外REITインデックスのETF
 海外のREIT(不動産投信)に投資をする場合、現状ではグローバルREITを組み入れた投資信託しかありません。しかしこの商品では信託報酬が1.5%以上かかりせっかくの賃料収入のかなりの部分がコストに消えてしまいます。しかも毎月分配型の商品が多く、長期投資には向きません。

 米国の証券取引所に上場しているREIT商品に投資できれば魅力的です。銘柄選択は難しいでしょうからインデックス型の商品が必要です。例えばバンガードが運用しアメリカン証券取引所に上場しているバンガードREIT ETFは米国のREITインデックスに連動した投資成果を目指すETFです。日本の証券会社ではまだ取り扱いは無いようですが、投資したい商品です。

■BRICsスイッチングファンド
 BRICsの株式は昨年大きく上昇しました。引き続き長期の投資対象として検討すべきですが、例えばブラジル、中国、インドのファンド間で手数料なしでスイッチング(ファンド間で低手数料で資金をスイッチできる機能)できるとコスト面も利便性も向上します。将来ロシア株ファンドも含めて、4つの国の間で資金を動かせる仕組みがあれば、4カ国でリバランスということも簡単にできるようになります。

■毎月分配ではないエマージング/ハイイールド外債ファンド
 新興国の債券に投資するエマージング債、格付けの低い高金利の債券に投資するハイイールド債などは分散投資が必要ですからファンドにフィットする投資対象です。ところが国内で販売されているこの手のファンドのほとんどは毎月分配型です。長期投資の観点からは毎月分配ではないこのような投資対象の国内公募投信があれば、と思います。

 このように自分の希望をまとめてみると、投資対象が外貨のものばかりであることに気がつきました。逆に言うと、国内の投資商品については株式も債券も不動産もそれなりに品揃えが増え、商品ラインアップが整備されたということでしょう。

 一方で海外への投資は投資対象が次々に広がり、個人投資家向けの商品提供が追いついていないというのが現状です。

 皆さんが自分で資産運用を行うときこんな商品あったらいいなと思うものはありませんか。自分の使っている証券会社に要望をしてみましょう。商品ラインアップから個人投資家にどんなスタンスで接してくれる会社なのか見えるものがあるはずです。

今回の話のまとめ---------
●海外の投資対象が広がり、運用商品の対応が追いついていない
●新しい投資対象に低コストでアクセスできるシンプルな商品が必要
●商品の品揃えからその金融機関の個人投資家へのスタンスが見えてくる
ではまた来週・・・。

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