長期個人投資家が求める外貨投資商品は?

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

長期個人投資家が求める外貨投資商品は?

 「おカネを殖やす前に考えること」というコラムを連載しているので毎月欠かさず読んでいる日経マネー。3月号の第2特集は「WでもうかるFX大戦略」です。為替保証金取引の活用法を解説したものですが、取材に力が入っているのが伝わってくる本格的な内容で読み応え充分でした。

日経マネー3月号など連載誌一覧画面はこちら
http://www.monexuniv.co.jp/news_media/2007/01/post_50.html

 「資産設計塾 実践編」で詳しく説明しているように(136ページ)、為替保証金取引はレバレッジを必ずしも使う必要はなく、(商品の仕組みは異なりますが)外貨預金の代替として活用するのが、特に外貨投資初心者には重要だと思います。実際私自身の個人金融資産も外貨債券部分の大部分はマネックスFXの外貨の買い持ちポジションです。

 今週マネックスFXに加えマネックスFXプロのリリースがありました。すでにサービスを提供しているマネックスFXに加え、もう一つの為替保証金取引商品をマネックス証券が提供するようです。
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new/news701c.htm
■マネックスFXプロとは?
 マネックスFXプロはマネックスFXと並行して2月からマネックス証券で提供される予定の商品で、手数料体系や注文方法などいくつかの違いがありますが、基本的な仕組みは同じです。

2つの商品の比較表
http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G1600/fx/hikaku.htm

 この表を見るとFXプロが優れている点としては、レバレッジが20倍までと高くなっている、注文方法が多彩、取り扱いは21通貨と圧倒的、といったところでしょうか。またFXプロは個別のポジション毎にリスク管理というのもマネックスFXとは異なる点です。

 手数料は計算方法が違うもののほぼ同水準、最低取引単位、スプレッド、税金なども同じ扱いです。

■21通貨なのですが・・・
 マネックスFXプロの取り扱い通貨が21となっていますが、21通貨を大きくグループ分けすると

(1)対円(円との通貨ペア)が米ドル、南アフリカランド、ユーロ、ポンド、豪ドル、スイスフラン、カナダドル、NZドル
(2)対ドルの通貨ペアが、香港ドル、ユーロ、シンガポールドル、豪ドル、ポンド、NZドル、カナダドル、スイスフラン
(3)対ユーロの通貨ペアがカナダドル、スイスフラン、ポンド、豪ドル、そしてポンドとスイスフランのペア、となっています。

 対円でマネックスFXから追加になったのは南アフリカランドだけ。対ドルや対ユーロも香港ドル、シンガポールドルなどが新しい通貨となっていますが、それ以外は豪ドル、ポンド、NZドルといったお馴染みの通貨です。 
 例えば米ドル/円取引と米ドル/シンガポールドルを組み合わせれば円/シンガポールドルの取引を合成することができますが、そのような方法を使っても対円で増えた通貨は南アフリカランド、香港ドル、シンガポールドルだけ。正直少し寂しいです。

 先週のこのコラムでマネックスFXの取り扱い通貨ペアが8つだけで物足りないと書きました。メジャーな通貨はカバーされていますが、例えば人民元、トルコリラ、南アフリカランドといったマイナーな通貨を増やして欲しいと要望を書いてみましたがどうやら今回は一部しか実現されなかったようです。
■対円通貨ペアの拡大を!
 例えば日経マネーで取り上げられたトルコリラ、アイスランドクローネ、ハンガリーフォリント、メキシコペソなどはマネックスFXプロの通貨ペアには入っていません。

 日計り取引のような短期売買はまったく行わなわず、長期で買いポジションを保有してスワップ金利を目的に取引を行う長期投資家にとってはレバレッジ20倍も、対ドルや対ユーロの通貨ペアもあまり必要ではありません。
 それよりも対円取引でマイナー通貨の買いポジションが保有できるようにして欲しいのです。前回も書いたように通貨は流動性も低く変動率が高いハイリスク通貨でも通貨配分を工夫して資産の一部を組み入れておきたいからです。

 為替保証金取引は口座開設する会社の信用力が重要です。あまり聞いたことの無い為替取引専門会社に口座を開設して取引するためには、その会社の財務内容や経営状態を調べなければいけません。しかも新たに口座開設するとまた取引金融機関が増えてしまい資産全体の管理が煩雑になってしまいます。

 マネックスFXあるいはマネックスFXプロでマイナー通貨の取り扱いを開始すれば問題は一気に解決します。このように思っている人は私だけではないと思いますが、いかがでしょうか。

 資産設計セミナーを行う講師として、また長期個人投資家の一人として、為替保証金取引の対円の取扱い通貨の拡大をこれからもリクエストし続けていきたいと思います。

今回の話のまとめ---------
●FXを外貨預金の代替と考える長期投資家にレバレッジは必要ない
●マイナー通貨でも通貨分散することでリスクを抑えることができる
●為替保証金取引の取り扱い通貨は対円通貨の充実を!

ではまた来週・・・。

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