10年後幸せになるためにどうしたら良いですか

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

10年後幸せになるためにどうしたら良いですか

 先週のコラム「資産設計手帳を作ろう」には今までにないたくさんの方からのメールをいただきました(いただいたメールにはすべて回答させていただきました。ありがとうございます。)残念ながらまだ商品化したい、という企業からの連絡は一社もありませんが(笑)、手帳のデザインをしたいというグラフィックデザイナーの方、制作に参加したいというファイナンシャル・プランナーの方からもメールをいただき、本件への個人投資家の皆様の関心の高さに驚きました。

先週提案した資産設計手帳の構想はこんな感じです
http://www2.monex.co.jp/monex_blog/archives/007700.html

 資産設計手帳というアイディアは投資を短期のギャンブルのようなものではなく、計画的にプランを立てて自分の人生設計と連動させた科学的な方法にすべきでは、という考えからうまれたものです。これから10年後、20年後といった長期的な未来に向けて今から準備をするためにこのような手帳が必要なツールであると思っているのです。

■ 将来を予想できますか?
 例えばこれから10年後を想像してみましょう。1ドルは120円より円高になっているでしょうか、それとも円安でしょうか。日経平均は2万円を超えているでしょうか。

 もしこのような予測をしようとすれば、そこにはシナリオが必要です。世界経済そしてその中の日本経済がどのようになっているかを考え、その中で株価や為替、金利などを予想するのが正しいアプローチになるからです。

 例えば、BRICsが台頭して日本経済は地盤沈下していく。為替は円安、日経平均も下がるといったシナリオ。あるいは円が暴落して日本にもインフレがやってくる。円安、株安で金利が上昇するシナリオ。さらには日本経済は再び高度経済成長に戻るという別のシナリオ。この場合、株価は上昇、円高になっていく。そしてもう1つ、日本は高福祉高負担の国になるというシナリオ。この場合は金融市場は大きく変化しないかもしれませんが、消費税は大きく引き上げられる。・・・無数の可能性が考えられます。

■ 大切なのは予想を的中させることではない
 他にもシナリオは考えられると思いますが、大切なのはこのような10年後の予想を的中させることではありません。このような無数の可能性に対応して自分の人生を豊かで満足できるものにするための資産をどうやって確保できるかを考えておくことです。なぜなら現実問題としては将来どうなるかを予想するのは意外に難しいものだからです。

 長期で資産を堅実に殖やそうとすれば、世の中の方向性の予測をするよりもどのような将来になっても対応できる「負けない投資戦略」が重要になると思います。円安になっても円高になっても、株や不動産が上下どちらに振れても、良いような全天候型の資産運用方法を目指すべきなのです。

■ 幸せになるためには学習することが必要
 そういえば最近「バブルへGO!!〜タイムマシンはドラム式」という映画が話題になっています。仕掛け人は「見栄講座」で一世を風靡したホイチョイプロダクション。バブルなんて20年前の過去の話、と思っているかもしれませんが、そんなバブルが再燃する可能性が無いとは言えません。人間とは同じ間違えを繰り返す動物だからです。そうならないためには過去から学ぶことが必要です。
 資産運用は幸せになるための手段に過ぎません。お金自体が目的ではないからです。10年後がどんな世の中になっているかを考えるよりも、どんな世の中になっても自分の理想を実現できるようにするにはどうしたら良いかを考えてみましょう。

 そんな考え方を誰でも直感的に理解できる新しい投資の本ができないか、と考え、もうすぐ発売される作品があります。正式な発表は2月21日ですが、内容の一部をご覧いただけます。

マネックス・ユニバーシティの書籍コーナー
http://www.monexuniv.co.jp/book/

これからの変化の激しい時代にお金の面でどう対応していくのが良いのか。その具体的なイメージをつかむヒントになれば、制作にかかわったものとしてたいへんうれしく思います。

お読みになった方は是非感想をお寄せください。
mailto:feedback@monex.co.jp

今回の話のまとめ---------
● 資産運用は長期的視点が必要
● 将来の経済予測をするより、自分がどうしたら良いかを考える方が合理的● 過去から学ぶことによって同じ過ちを繰り返す失敗を避けられる

ではまた来週・・・。

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