外貨投資、これからでは遅すぎますか?

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

外貨投資、これからでは遅すぎますか?

 「資産設計塾」という書籍を出版したのはもう3年近く前になります。その後、続編も出版することができ、もう少しで累計10万部に到達する勢いです。お読み頂いた方、本当にありがとうございます。

 日経新聞1面左下にも広告が掲載されていますが、今回シリーズの3作目として拙書「資産設計塾 外貨投資編」が本日発売になりました。

 今回、長期分散投資の中でも外貨投資に焦点を当てて書いたのは、外国株式から外国債券、不動産、海外ETF、為替保証金取引、と外貨投資に関して網羅的にまとめられた書籍があまりなく、本格的な運用に必要な情報がまとめられていないと思ったからです。しかもそんな外貨投資こそ、日本の個人投資家にとって最も必要なのに最も取り組みが遅れている分野なのです。そんな外貨投資をはじめるためのガイドブックになるような書籍を制作したかったというのが今回の出版の動機です。

外貨投資をはじめるべき3つの理由
http://www2.monex.co.jp/monex_blog/archives/007854.html

■目指したのは網羅的な内容
 資産運用は単品の商品ではなく体系的に学ぶことが重要です。例えば株式投資、FXといった単独の商品を学ぶだけでは分散投資も実現できませんし、商品毎のメリットを利用した選択をすることもできません。

 例えば海外の高金利を享受できるような運用をする場合、外貨預金からはじめる方が多いと思いますが、実は外債や外貨MMF、さらに外債ファンドや為替保証金取引まで様々な商品バリエーションがあります。その中で商品のメリット・デメリットを比較して選択していく必要があります。

 外貨投資に関してはこのような網羅的な内容の書籍が少なく、多くは中国株投資や為替保証金取引に特化した書籍です。これだけでは横展開ができないのです。

■外貨投資のデータ収集は難しい
 当初3月には出版できる予定だったのですが、遅れてしまいお待ちいただいた方にはご迷惑をおかけしました。大きく遅れてしまった要因の1つはデータ収集に思った以上に時間がかかってしまったことです。今回もイボットソン・アソシエイツ・ジャパンの協力をいただき、同社の小松原さん、小野田さんに多くのサポートをいただきました。プロに提供している世界最高レベルの投資データを個人投資家の方に加工し、外貨投資の数値面での検証にも力を入れました。
 さらに、ムーディーズ、MSCI、ブルームバーグといった外貨投資ではお馴染みの会社からもデータ提供いただき、投資信託データも定評ある野村総合研究所にお願いして、最高レベルのデータを使うことができました。

■これから大きく変わる外貨投資
 外貨投資の重要性はこれからも当面高まることはあっても弱まることはないと考えています。それは国内に大量の個人投資家資金が滞留していることからも明らかです。

 そして活用できる商品のバリエーションも拡大することが期待されます。昨日のオンラインセミナー(25日の夕方以降ご覧いただける予定です)でも海外ETFやADRなどの要望が高かったのですが、これらの商品の品揃えは各ネット証券が急速に整備を進めており、今後さらに活用すべき商品が増えてくる可能性もあります。

いつでもPCから無料で見られるセミナー一覧
http://www2.monex.co.jp/lounge/benkyo/ondemand.html

 そんなこれからの変化にも対応するためには普遍的な外貨投資の知識をしっかりと押さえておくことが重要です。

■これからでは遅すぎますか?
 今月発売の日経マネー8月号の連載コラムにも書きましたが、外貨投資のタイミングとして遅すぎるということはありません。それはこれからさらに円安になるかもしれないという相場観からではありません。円安と円高どちらが困るかを考えれば円安であるからです。円安になっても困らないための対応は外貨投資しか無いのです。

日経マネー8月号の見出し
http://www.monexuniv.co.jp/news_media/2007/06/post_92.html

 実際の相場の動きを見るとこの原稿を書いている22日の午後も豪ドルが105円台、ユーロは166円台と円安がジワジワ進んでいます。外貨を保有しない最悪のケースを想定すべきです。

 ただし慌てて一気に投資をするのではなく計画を立てて通貨の分散を行いながら着実に進めていくことです。そんな外貨投資の重要性からはじまり、その具体的対策をまとめて知りたいという方がはじめるきっかけとして拙書をお読みいただければ幸いです。

外貨投資に関する書籍が一覧できるサイト
http://www.monexuniv.co.jp/book/#credit

今回の話のまとめ---------
●日本の個人投資家に足りないのは外貨投資
●外貨投資は変化の激しい投資対象。普遍的な知識を身につけよう
●外貨投資に遅すぎるということはない

ではまた来週・・・。

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