隣の芝生は何色?34人の資産運用から学べること

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

隣の芝生は何色?34人の資産運用から学べること

 投資の成果は銘柄選択、投資タイミングよりむしろ資産配分(アセットアロケーション)で決まる、というのはこのコラムを読んでいる方であれば、ご存知かと思います。つまり、資産配分についてのスキルを磨くことが、投資の成果を向上させる近道ということです。

 そこで、マネックス・ユニバーシティのEラーニング(マネックス証券の口座保有者は一部コースを無料でお申込みできます)の約15,000名の受講者の方に、「ポートフォリオ診断」という動画を提供しています。これは受講生の中の約40人の方から送っていただいたポートフォリオをベースにしたものです。ご自身の資産を分類して比率を計算して送ってもらい、そのデータをわかりやすいグラフにして解説を行いました。これだけ、多くの方の運用状況を一気に見られる機会はなかなかありません(これからお申込みいただく方もこの「ポートフォリオ診断」動画をご覧いただけます)。

今からでも間に合う「2008年の資産運用改造プログラム」
http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G800/mu/mc_index.htm

 また2008年1月14日(月)までに「Level1の6コース」を修了すると限定動画で「傾向と対策」も学べるように工夫しました。

ポートフォリオの落とし穴とその対策法
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2007/news712n.htm
 個人投資家のポートフォリオを見ていると、一番大切なアセットアロケーションについて間違えやすい共通のパターンが見えてきます。

■ わかっているけどやめられない
 やはり多いのが、預貯金と日本株式に資産が偏っているケースです。このようなケースの場合、預貯金部分からのリターンは極めて低く、日本株部分のリスクが大きく、分散されていない分、全体としてもリスクを取りすぎてしまう可能性が高くなります。

 不思議なのは、このような資産配分を行っている方の多くが、「これでは良くない」と自覚しているということです。わかっていても、日本株投資に偏重した現状から変われないのは、損切りができない、値動きが気になってつい投資を続けてしまう、といった理由があるようです。

 このようなパターンの方には理想の資産配分をまず決めて、現状を理想にどう移行させていくかを計画することが必要になります。

■ どうやって進めていいかわからない
 またアセットアロケーションの勉強をしっかりした上で、いよいよ分散投資を始めよう、と思ったものの、具体的に今の資産からどうやって分散ポートフォリオにシフトさせていったらよいかがわからない、という悩みを持っている方もいらっしゃいました。

 時間の分散を考慮すれば、資産の構築を一気に進めるのではなく、半年から1年程度の時間をかけてゆっくり計画的に進めればよいと思います。ここでも重要なのは場当たりでやるのではなく計画することです。
 
■ 資産はリスクの似た資産でグループ化する
 自分の資産運用状況を把握する上で最も重要なことは、資産をリスクによってグループ化していくことです。6つのグループに分類する方法を提案していますが、どこまで細かく分類するかは自分のやりやすい方法で問題ありません。ただしあまり細かく分類しすぎると全体が見えにくくなってしまうこともあり、まずは為替リスクや株価のリスクといったリスクによって、分類すれば充分です。必要ならさらに細かく小分類していけばよいのです。

 投資信託にいくら、株式にいくら・・・という商品別の分類ではリスクはわかりません。日本株に投資している投資信託、ETF、個別銘柄の合計を出さないと日本株のリスクが資産全体でどのくらいかわからないのです。

■ 年末年始で自分の資産全体の「見える化」を
 自分がいくつかの金融機関に保有している商品を1つ1つグループに分けて、その合計金額を計算する。そして資産全体に占める比率を計算していけば、リスク別のアセットアロケーションの状況がすぐにわかるようになります。
 今月出版した拙書「資産設計手帳のすすめ」でも具体的なポートフォリオ作成方法を解説していますのでご興味ある方はご覧ください。手帳を使った増える仕組みの作り方、です。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4478003270?ie=UTF8&tag=monexuncojp-22&lin

 このように全体をざっくりと鳥瞰(ちょうかん)できるものを作ると、自分の資産の「見える化」ができるようになります。「見える化」する理由は自分の資産全体の状況把握がリターンの改善に最も効果的と思うからです。

 読者の皆様のポートフォリオは「見える化」されていますか?年末年始は始めるきっかけになる良いタイミング。自分の資産の「見える化」をやって、問題点が無いかチェックしてみてください。

 本年も一年間読者の皆様のサポートをいただきコラムを続けることができました。来年も本年同様お役に立てる情報提供を心がけたいと思います。よろしくお願いいたします。

今回の話のまとめ---------
■ 自分の資産配分状況を一目で一覧できる方法をはじめるべき
■ 資産は商品によってではなく、リスクによって分類する
■ 年末年始は現状の資産配分を「見える化」する良いチャンス

(本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、筆者の所属する組織の意見とは必ずしも一致しません。)

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