3つのコントロールで投資のリターンを高める

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

3つのコントロールで投資のリターンを高める

 2008年も気がつけばもう1ヶ月が終わりましたが、年初に立てた方針から変わることなく資産運用していますか?相場の変動もあり、短期的には結果が出ないかもしれませんが、悲観することはありません。目標とする時期まで時間があれば、焦らずじっくり続けることです。

 今やるべきことは短期的な投資成果に一喜一憂することではなく、これからどうやって投資の成果をあげるかを考えること、です。

■ 投資のリターンを向上させる3つのコントロール
 さて今回はそんな投資のリターンを向上させる方法を「コントロール」という視点から3つにまとめてみました。

1.コストコントロール
 資産運用で最初に考えることは、コストを下げることです。投資のリターンはコストを下げた分、確実に上昇します。リスクを取らなくてもできる確実なリターン向上法です。基本的なことですがもう一度見直しておきましょう。
2.メンタルコントロール
 自分の感情のコントロールです。行動心理学的な考え方を理解しておけば、感情的な取引をして失敗してしまうのを防止できます。

3.リスクコントロール
 自分の保有している金融資産全体のリスクをどうコントロールするかです。最悪の事態を想定しておくことで運用リターンのブレを自分のリスク許容度内に抑えることができます。

 この3つのコントロールがしっかり出来ていれば、相場に大きな変動があった時でもやめないで続けることができます。続けることができれば、長期の運用成果を享受することができるのです。

■ コストコントロールは商品選択で
 コストを下げるには手数料の確認です。売買の手数料、投資信託の信託報酬外貨商品の為替手数料などを調べてみることです。安ければ良いというものではありませんが、無駄なコストは削減すべきです。銀行のATM利用料なども節約できます。同じサービスであればコストの低い商品を選択するようにしましょう。

 またコストを削減するだけではなく、逆に貸株サービスのように、保有している株式から追加のリターンを得る方法もあります。

株式を貸出して金利を受け取る「貸株サービス」
http://www.monex.co.jp/StockLending/00000000/guest/G1900/lend/index.htm
■ メンタルコントロールはマネックス・ユニバーシティで
 プロスペクト理論に代表される行動心理学の研究によって、メンタルコントロールが資産運用の成果に大きく影響することがわかってきました。

「株」で失敗する本当の理由(プロスペクト理論の説明)
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/m_seminar/20061217.htm
 また、資産運用では相談相手の存在が重要です。資産運用には唯一の正しい方法は存在しません。不安になった時、運用方法について第三者の意見を聞いてみることは意味があるのです。マネックス・ユニバーシティではこれまでもEラーニング受講者向けに「お金の相談室」で定期的に個人投資家の皆様に相談の機会を提供してきました。これは動画を見ながら、ネット上で直接質問もできる双方向のサービスで、好評をいただいています。今月も2回開催の予定です。

お金の相談室とは?【Eラーニングの受講者特典2】
http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G800/mu/mc_tokuten.htm

■ リスクコントロールは?
 メンタルコントロールを行えるようにするためには自分の資産のリスクを把握しておく必要があります。そのためには日々の金融商品の動きや取引の結果、自分のリスクがどのような状態にあるかをリアルに確認できるツールがあれば便利です。自分の保有している資産がどの位のリスクがあるかを数値化し、最悪の場合の損失予想をする仕組みです。

 ご存知の方もいるかもしれませんが、今週プレスリリースでマネックス・ユニバーシティが投資教育だけではなく新しいビジネスも展開することを発表しました。

リリース文(PDFファイル1ページ)
http://www.monexbeans.net/pdf/press/mbh/press2008_01_29_intelligence.pdf
 ここで書いている「知のインフラ」というのは難しい投資理論を作るということではありません。誰でも簡単にリスクコントロールできるツールを開発し、投資リターンの向上に役立てていただくことを目的にしています。

 具体的には、個人投資家の方が保有している資産が全体でどのようなリスクを持ち、どのようにしたらポートフォリオの改善ができるか、といった分析管理機能を備えたものを考えています。今月から新しい精鋭メンバーも加わり、本格的な実用化を進めていきます。

 そこで読者の皆様にお願いがあります。資産運用をされていてこんなツールが欲しい、こんな画面があると便利、といったご要望、あるいは、他社の便利だと思うサービスといった情報をマネックス・ユニバーシティまでお寄せいただけないでしょうか。これからの開発の参考にさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

マネックス・ユニバーシティへのメール
mailto:muinfo@monex.co.jp

 そう言えば、明日は名古屋証券取引所のウィンターセミナーでお話させていただきます。ご来場いただく皆様、会場でお会いしましょう。
http://www.nse.or.jp/ir_express/winter/schedule.html

今回の話のまとめ---------
■ 3つのコントロールで投資のリターンを高められる
■ 投資に必要なのは難しい理論ではなく、簡単でわかりやすいツール
■ リスクコントロールはツールがあれば自分で管理が可能

ではまた来週・・・。

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