資産運用の究極の到達点はどこにあるのか?

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

資産運用の究極の到達点はどこにあるのか?

 私が社会人になったのは1986年です(まだバブルの前)。金融機関に入社し仕事をしながら、同時に自分の個人資産の運用も試行錯誤を続けてきました。
 入社2年目からディーリングルームで仕事をし、為替スワップ、スポット、オプション、外債、債券先物、金利先物、金利スワップなど様々な金融商品の取引を担当しました。1997年に外資系投資顧問会社にファンドマネージャーとして転職し、債券、為替、グローバルアセットアロケーションを担当しましたが、そのとき英国の年金運用では当たり前のように行われていた長期分散投資を知りました。

 その後1999年に出会ったのが、設立直後のマネックスでした。投資のリターンを向上させるにはまずコストを下げることだ。インターネットを使った個人投資家の金融取引に大きな可能性を感じ、新しいフィールドで働き始めることにしたのです。

■ コストを下げるだけではリターンは向上しない
 1999年10月からネット証券が低コストで金融商品を提供し、いつでもネット上で注文できるサービスを開始しました。マネックス証券でマーケティングやお客様サービスの仕事をしているうちにあることに気がつきました。
それは、

<< 取引コストが下がっても、個人投資家のリターンは上がっていない >>
ということでした。低コスト高品質なサービスが提供できても、それを上手に活用できなければ意味が無いのです。高性能の車があっても運転の仕方を上手にできないと事故につながるのと同じことです。

 低コストだけの金融サービスには限界がある、そのような考え方からマネックス証券では口座をお持ちの個人投資家の皆様向けにセミナーを開催するようになりました。英国の年金運用から学んだ智恵が個人金融資産にも活用できると思ったのです。書籍やセミナーで紹介させていただいているような「内藤式標準アセットアロケーション」に到達しました。

 しかしセミナーにも限界があります。セミナーは1回でせいぜい300名。しかも東京が中心です。そのような問題を解決する方法として、ネットを使ったEラーニングの提供と書籍の制作をはじめました。

Eラーニング(受講者2万人を越えました)
http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G800/mu/mc_index.htm

MUオススメの書籍をまとめてご案内
http://www.monexuniv.co.jp/service/book_dvd/index.html

■ 20年間で見えてきた個人投資家の資産運用の到達点
 最近、資産運用に関して思っていることは、運用手法の高度化ではなく、むしろシンプルな運用方法によっていかに時間をかけずに結果につなげるかが重要ではないかということです。

 資産運用とは人生の目的ではなく目的をかなえるための手段に過ぎません。とすれば、日常生活に出来るだけ負荷をかけないようにすべきだと考えるようになりました。負荷とは精神的ストレス、それに手間や時間です。

 精神的ストレスは資産の変動を大きくしすぎないことに尽きます。それには分散投資しかないと思っています。手間や時間がかからない方法とは、金融機関側のテクノロジーもありますが、自分自身で資産管理方法を「仕組み化」することも効果大です。

■ 究極の資産運用
 究極の資産運用とはお金が勝手に働いてくれるような仕組みを作り、自分は「お金の経営者」として資産全体のリスクとリターンを管理する立場になることです。年に数回自分の資産の運用状況を確認し(モニタリング)、毎日の相場変動に一喜一憂しない状態になれれば、最高です。

 そのような考え方をベースに、本日「【新版】内藤忍の資産設計塾」を出版しました。理想の資産設計に少しでも近づくために新刊書籍がお役に立てれば幸いです。読者の皆様からのご意見もしっかり伺って、さらに究極の資産運用の模索を続けていきたいと思っています。

抽選でサイン入り書籍をプレゼントいたします(来週発送)
http://www.monexuniv.co.jp/new/2008/23.html

アマゾンでの購入はこちらからどうぞ
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4426105102?ie=UTF8&tag=monexuncojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4426105102

今回の話のまとめ---------
■ コストを下げるだけでは投資のリターンは向上しない
■ セミナー、ネット、書籍が資産運用の情報収集に活用できる方法
■ 手間とストレスのかからない長期分散投資が究極の方法

ではまた来週・・・。

(本コラムは、筆者の個人的意見をまとめたもので、筆者の所属する組織の公式な見解ではありません。)

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