澤上さんが自信満々な理由

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

澤上さんが自信満々な理由

本日(10日)午後、さわかみ投信の澤上篤人社長と対談の収録がありました。昨日のNY市場での株価急落を受けて、本日の東京市場も日経平均が大幅に下落。そんなお忙しい日に来社いただきました。

 実は1年半前にも澤上さんにお話を伺う機会がありました。その時には相場に関することより、さわかみファンドの運用に関する話を中心にお聞きしました。

30通以上の質問を持って、さわかみ投信に行ってきました(バックナンバー)http://lounge.monex.co.jp/column/shisan/2007/04/27.html

 今回はマーケット環境がまったく異なります。株式市場には1年以上逆風が吹き続け、さわかみファンドも厳しい運用を強いられています。日本株の運用をしている澤上さんは、元気が無いのかな?と勝手に想像していましたが、お会いしてそのテンションの高さに驚きました。結局、予定の時間をオーバー。40分の熱いトークをじっくり聞かせていただくことができました。

■ 現在のマーケットについて
 まず、オフィスでお会いすると、開口一番
 「いやー、忙しい。個人投資家からじゃんじゃん電話がかかってきて。」 追加で投資資金を入れてくるお客様の対応に追われて、社員が食事をする暇さえないくらいだそうです。そして、以前から選別していた銘柄を入ってきた資金でギリギリまで買う。そんな一日になる、とのこと。下がると追加で入ってくる個人投資家の資金をここぞとばかりに株式市場に入れているのです。
 地に足のついた経営をしっかりしている会社を選んで投資をするなら、現状の急落は絶好の買い場。澤上さんが見ているのは、需給やPERといった指標ではなく、投資対象に対する「応援したいか」という判断です。ちなみに澤上さんの投資対象には、金融セクターは入っていません。

 「自分が良いと判断した銘柄を下がった今こそ買う」

 これが澤上さんの現状のマーケットに対する認識からの結論です。4半期や毎月の結果に追いかけられているプロの投資家に個人投資家が勝つには、こういう投資をすれば良いんだよ、と澤上さんの考えは明快でした。

■ 日本株以外の投資対象の魅力について
 日本株以外の投資についても聞いてみました。澤上さんは日本株への投資だけを続けていますが、例えば外国株や不動産などに投資する予定は無いのか?
 これに関しては、現時点では日本株が一番魅力的という回答でした。インデックスを買え、というのではなく日本株の魅力的な銘柄で運用すれば問題ない、が結論でした。中長期的には他の資産への投資を否定はしませんでしたが、当面の運用方法は変わらないようです。

■ 澤上さんがブレない理由
 変わらないと言えば、実は最初にお会いしてからもう10年以上になるのですが、言っていること、やっていることが10年前とまったく変わりません。それはナゼなのでしょうか?

「ボクはもう38年間長期投資やって、ブラックマンデーやら、オイルショックやらたくさんの暴落を経験している。今回もそれと同じこと。」と澤上さん。
 長期投資の手法への信頼が自分の中でしっかりと確立しているので、そこから考え方がブレないのだと言います。若い頃には短期売買や売りから入ったりトレーディングもやったそうですが「手間かけた割には結局長期投資に比べそんなに利益にはならなかった」

 そんな過去の経験と資本主義社会に生きる人間への信頼感がブレない投資手法を作っているようです。

 今回の対談では相場観以外にも、澤上さんはカード派?現金派?、ご自身の資産はどうやって管理しているのか、ロスカットはしないのか?などなど、興味深いお話も聞かせていただきました。

 このコラムでは伝えきれない貴重なお話がたくさん詰まった対談。マネックス証券に口座をお持ちの方は、10月13日夜までにEラーニング受講申し込みをすれば、14日に視聴方法をメールでご案内します。 

申込み方法はこちら
http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G800/mu/mc_index.htm

 虚勢ではなく、心から自信に満ちた表情でこれからの相場を語る澤上さん。これからどうするか悩んでいる個人投資家の皆様の考えるヒントになると思います。是非ご覧ください。

今回の話のまとめ---------
■ 資本主義社会が続く限り、健全な企業に投資を続ければ良い
■ にわか投資家が弱気になったら本物の投資家が買うチャンス
■ 長期投資をしていれば暴落はつきもの、そこでどう行動するかが重要
ではまた来週・・・。

(本コラムは、筆者の個人的意見をまとめたもので、筆者の所属する組織の公式な見解ではありません。)

内藤 忍
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
http://www.monexuniv.co.jp
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