不安は具体化して1つずつ解決する

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

不安は具体化して1つずつ解決する

先週ご案内した、さわかみ投信の澤上篤人社長との対談動画は、予想以上に多くの方からお申込みをいただきました。現在はアクセス数も比較的落ち着いておりますので是非ご覧ください。

【特典動画】澤上篤人氏が40分間熱く語る「激動の今、こう乗り切る!」http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G800/mu/mc_index.htm

 今週も世界の株式、為替市場は相変わらず不安定な動きが続いています。個人投資家の皆様も当然のことながらこれからの相場の動きを心配していることだと思います。

 投資に限らず、人間は心配や不安があると、必要以上の過剰防衛に入ってしまう場合があります。例えば「老後が不安」な場合、不安が増幅された結果、過剰な貯蓄を行なってしまい、結局使い切れないお金を残してしまったりします。大前研一氏が語るように、日本人は年齢と共に金融資産が殖え、一番多いのは死ぬとき、という状態になってしまうのです。人生を豊かにするためのお金を結局自分の人生に使わないことになってしまう。これは、不安になっているだけで、それを解決する行動を起こさないのが原因です。

 例えば老後が不安、というなら、解決への第一歩は具体的な不安材料を書き出してみることです。そして、それを1つずつ解決していけば良いのです。老後の資金が不安というなら、いくらあれば安心できるのかの具体額を考えることです。

 単に不安だと思っているのではなく、具体的に何が不安で、それに対して自分は何ができるかを考えてみることが、不安から開放される1つの方法です。
■ 投資の不安を具体化してみる
 では、投資に不安を感じている方はどうしたら良いのでしょうか?同じように何が不安なのかを具体化してみれば解決に近づくことができます。投資に関する不安があるなら、例えばその不安をマーケットの変動要因への不安と、それに影響される自分自身の資産に関する不安に分けてみます。そして、次にそれぞれに関してもさらに細かい要素に分類して具体化していくのです。

<マーケットに関する不安>
 金融システムの不安定な状態
 世界的な景気の減速
 米ドルの将来
 世界的企業の大型倒産
 ファンドの換金売り
 政治家のリーダーシップ
・・・

<自分の資産に関する不安>
 金融資産がどこまで減ってしまうのか
 含み損で損切りできない銘柄をどうするか
 このまま積立を続けていて良いのか
・・・

 このように具体化できたら次にそれぞれの不安をどうやって解決できるかを考えていきます。不安が列挙されていて具体的に限定されたものになっていれば、後は1つ1つを解決していけば良い、とやるべきことが明確になります。不安な要素が増えたら追加すれば良いし、解決したら消せば良いのです。
 
 マーケットに関する情報は大量に溢れています。それらの情報に振り回される前に、自分の不安を具体化して整理してみる。解決に向けての一歩になると思います。

今回の話のまとめ---------
■ 不安になっているだけでは問題は解決しない
■ 不安を具体化して限定できれば何をすべきかが見えてくる
■ 情報に振り回される前に自分の現状を知ること

ではまた来週・・・。

(本コラムは、筆者の個人的意見をまとめたもので、筆者の所属する組織の公式な見解ではありません。)

内藤 忍
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
http://www.monexuniv.co.jp

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