バフェット氏から哀川翔さんまで 投資の名言に学ぶ

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

バフェット氏から哀川翔さんまで 投資の名言に学ぶ

 10月も今日で終わりです。今月は個人投資家の皆様にとって記憶に残る月になるのではないかと思います。この2週間の日経平均終値で見ても約20%の変動。昨日までの株価の推移を見ると、ノーロードのインデックスファンドや(販売手数料はかかりますが)ベアファンドを使えば、短期間に高いリターンを上げることは可能でした。短期投資家にとっては「ボラティリティ(変動率)は友達」なのです。しかし、タイミングを間違えれば逆の展開もあり得ます。
<日経平均の終値の推移>
10月31日 8,576.98
10月30日 9,029.76
10月29日 8,211.90
10月28日 7,621.92 (最安値6,994.90)
10月27日 7,162.90
10月24日 7,649.08
10月23日 8,460.98
10月22日 8,674.69
10月21日 9,306.25
10月20日 9,005.59

 また先週は下げ止まらない相場に底知れぬ恐怖を感じ、安値圏で耐えられず損切りしてしまう。そんな方もいたかもしれません。

 もし、この10日間、まったく相場の動きをチェックしていなかったら、どうなったでしょうか?短期トレードで利益は得られないでしょうが、大損をしたり、安値で損切りをしてしまったり、と相場に翻弄されることも無かったはずです。

 このコラムでずっと提案しているような長期投資を続けるのであれば、
「ゆったり構え、じたばたしないこと。それが長期的な成功の秘訣である。」(チャールズ・エリス)

 という言葉を思い出してみるのが良いでしょう。

■ ウォーレン・バフェット氏から学べること
 米国の超長期投資家として有名なウォーレン・バフェット氏は今月、米国株を個人の資産で購入しはじめたことを公表しました。

投資家バフェット氏「私は米国株を買っている」(投資手帳ブログより)http://d21.boxerblog.com/investment/2008/10/post-ba0a.html

 ウォーレン・バフェット氏の長期投資に関する名言の中で私が気に入っているのは

「もし証券取引所が10年間閉鎖されても、喜んで持ち続けたい銘柄だけを買いなさい」

です。ウォーレン・バフェット氏自身は銘柄選択を徹底的に行い集中投資によって市場平均を大きく上回るリターンを実現しましたが、個人投資家にはインデックス運用を薦めています。自分で良い銘柄を選べればそれに越したことは無いのですが、そのために必要な努力、能力、時間を持ち合わせている人は少ないと考えているからでしょう。

■ 投資の名言を思い出す
 今月出版させていただいた「投資手帳」では、投資に役立つと思う名言を毎月1つずつ紹介しています。投資家の名言だけではなく、例えばこんな方々の言葉も入れてみました。投資を意識した言葉ではないのでしょうが、長期で投資を続けていく上ではとてもありがたい言葉だと思うのです。

「挫折をしないためには、やり続けることだ」(哀川翔)

「無駄になる努力はない」(川上哲治)

 長期投資というのは地味で気の長い作業ではありますが、一方でコツコツ続けることによって報われる可能性が高い方法だと考えます。最近の株、為替の大きな変動によって、投資を止めてしまった人がいる一方、今まで投資経験の無かった方が、ネット証券に口座開設をし、投資を始めるケースが増えています。

 今回のような相場の大変動を見て、投資にはリスクがあるから怖い、と預金にシフトする人もいます。自分の資産をどのように活用するのかは個人の自由ですが、

「リスクを負わないのがリスク」(ビル・ゲイツ)

でもあることは覚えておきましょう。投資にはリスクが付き物ですが、リターンとはリスクを取った見返りにしか得られないものです。

今回の話のまとめ---------
■ 高い変動率は短期投資家にとってはチャンスであるがリスクでもある■ 長期投資で大切なのは短期の変動に慌てないこと
■ 長期投資がくじけそうになったら投資の名言を思い出そう

ではまた来週・・・。

(本コラムは、筆者の個人的意見をまとめたもので、筆者の所属する組織の公式な見解ではありません。)

内藤 忍
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
http://www.monexuniv.co.jp
10月発売!これから投資を始める人が今日から使える「投資手帳」
http://www.monexuniv.co.jp/service/book_dvd/index.html#book3

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